明治、ダノンと事業提携 欧州市場向け、粉ミルク成型技術供与

独自技術を発揮し、欧州市場にキューブタイプの粉ミルクを展開する(写真は「明治ほほえみ らくらくキューブ」)

独自技術を発揮し、欧州市場にキューブタイプの粉ミルクを展開する(写真は「明治ほほえみ らくらくキューブ」)

明治は20日、ダノンと欧州市場向けキューブタイプ粉ミルク製造で事業提携すると発表した。同社の粉ミルク成型技術を供与し、ダノンブランドの粉ミルクをキューブタイプ製品に加工し、販売する。6月には明治初となる欧州での子会社を設立し、事業展開を推進。粉ミルクカテゴリーのグローバルリーダーであるダノンの専門栄養食品事業部門と提携することで、海外における栄養事業の拡大を加速させる。同社のグループビジョンに掲げる海外売上高比率20%の実現に向けて、海外事業拡大の一翼を担う。

提携は、欧州市場でのキューブタイプの粉ミルクカテゴリーについて、明治とダノン社との間で独占契約を結ぶもの。明治が製造技術を提供し、20年度中にダノン社の欧州の粉ミルク工場内に生産設備を導入し、柔軟な生産体制の構築を図る計画だ。

20年度の第4四半期から欧州の特定の流通店舗でテスト販売を開始する予定で、1年間販売した後、さらなる提携の継続と拡大の可能性を両社で評価する。また、6月にはオランダに100%子会社「明治フードヨーロッパ(仮称)」を設立する。資本金は十数億円とみられる。キューブタイプ粉ミルクの生産技術支援や生産設備の管理など、同事業提携の推進を主な目的とし、欧州における他カテゴリーの市場性の検討や情報取集の役割を担う。

明治は、「育児負担の軽減」解決を目指して、07年から世界初のキューブタイプ粉ミルク「明治ほほえみ らくらくキューブ」、09年から「明治ステップ らくらくキューブ」を発売。利便性の高さなどが評価され海外にも浸透しており、現在は台湾、ベトナムなどへ埼玉工場からの輸出品として販売を行っている。一方、ダノンは世界の乳幼児向け食品市場で第2位のポジションを堅持しており、今第1四半期(20年1~3月)の乳幼児向け栄養事業は1桁台後半で堅調に推移している。(小澤弘教)

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