胃心伝真=「流通革命」の意義
3日、菱食(現三菱食品)元社長の廣田正氏が逝去した。革新的な概念を相次ぎ提唱し、卸売業の産業化を推進した偉大な経営者だった▼廣田氏が卸の改革を志す原点となったのが、1962年発刊の「流通革命」が唱えた「問屋不要論」だ。伝統的な日本の問屋機構は流通変化の過程で消滅すると予言し、社会的にも大きな議論を巻き起こした▼しかし、問屋は消滅せず、今では流通に不可欠な地位を確立。1兆円規模を超える食品卸も複数誕生し、業界基盤は過去になく強固なものとなった。「問屋不要論」に危機感を抱き、業