業務改善のきっかけは「タイミー」:導入事例=ウジエデリカ仙台工場 作業負担減り有休取得向上【PR】

総合 インタビュー 2024.02.26 12721号 12面
生産・開発部 仙台工場長 細野清悟氏

生産・開発部 仙台工場長 細野清悟氏

お弁当・お惣菜大賞2024麺部門入選の「宮城名物!白石うーめん」

お弁当・お惣菜大賞2024麺部門入選の「宮城名物!白石うーめん」

お弁当・お惣菜大賞2024スイーツ部門最優秀賞の「ぷるるん食感♪季節の葛(KUZU)バー」

お弁当・お惣菜大賞2024スイーツ部門最優秀賞の「ぷるるん食感♪季節の葛(KUZU)バー」

昨年麺部門1位最優秀賞を獲得した「仙台グルメ 麻婆焼きそば」

昨年麺部門1位最優秀賞を獲得した「仙台グルメ 麻婆焼きそば」

クリーミーなのにホクホク らずもねぇ!!ポテトサラダ

クリーミーなのにホクホク らずもねぇ!!ポテトサラダ

タイミー 東北支社リーダー 槇峯茜氏

タイミー 東北支社リーダー 槇峯茜氏

「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイト募集サービス「タイミー」の利用が全国で広がっている。サービスの提供開始から5年間で導入事業者数は9万8000社、ワーカー数は700万人(24年2月時点)を超えた。募集から採用に至るまでの早さやマッチング率の高さが魅力だ。人口減少や少子高齢化が加速している東北エリアでも重要性は高まっている。タイミーで募集すれば一日以内に採用に至るケースも多く、使い勝手の良さから、食品スーパーや製造工場、観光施設、物流倉庫など、さまざまな業界で運用が始まっている。宮城県内に31店舗を展開するウジエスーパーの子会社で、アウトパックの惣菜商品を製造するウジエデリカも早くからタイミーを活用してきた企業の一つだ。週末や年末年始などの繁忙期にタイミーのワーカーを受け入れることで、製造数量の増産や従業員の負担軽減に取り組んできた。仙台工場で指揮を取る細野清悟工場長にタイミーの活用事例と導入効果を聞いた。

◆生産・開発部仙台工場長 細野清悟氏

●増産分に最適人員、長期雇用を推進 プライベート優先の多様な働き方に対応

仙台工場がタイミーを導入したのは、21年11月。惣菜の需要が増える週末に加え、年末年始やクリスマス、お盆などの繁忙期に5~6人のワーカーを募集し、生産ラインの人員強化を図ってきた。細野工場長は、「募集からマッチングまでが早く、急に人手が必要になった場合などに役立っている」と話す。

同社はウジエスーパーの惣菜工場として13年に稼働。コロナ禍での中食需要の高まりや簡便即食トレンドを背景に、20年ごろから惣菜を軸とした商品戦略を推進してきた。温・冷惣菜、米飯、スイーツなど、独自商品の開発に力を入れたことで、店舗における惣菜部門の売上高は毎年、右肩上がりに成長を続けている。

ウジエスーパーの名前が全国的に知られるきっかけとなったのが、全国スーパーマーケット協会主催の「お弁当・お惣菜大賞」への出品だ。直近では、23年に「仙台グルメ麻婆焼きそば」が、24年にフルーツアイスバーの「ぷるるん食感♪季節の葛(KUZU)バー」が、それぞれの部門で最優秀賞を獲得するという快挙を成し遂げた。看板商品の惣菜やスイーツを目当てに店舗に足を運ぶ常連客も多く、開発にも熱がこもる。

細野工場長は、注目度の高まりに拍車が掛かる一方、慢性的な人員不足に悩まされていた。同社の従業員数は約100人で、そのうち約60人が常時、製造業務に励んでいるが、週末になると製造量は約1.5倍に跳ね上がる。終了時刻を延長して、従業員にも協力を要請せざるを得ない状況が発生していた。

人員の確保に向けて求人媒体に募集を出すなどしていたものの、働く世代の減少に加え、人材の取り合いが激化していることなどから、働き手が集まりにくかった。こうした課題を解決する糸口となったのが、スキマバイト募集サービスのタイミーだった。

「タイミーで募集を掛けてから、マッチング後、一週間以内に働きに来てもらえる。応募者は自分の都合に合わせて働くことができる上、工場側の需要にもマッチしていることが画期的だった」。細野工場長はこう振り返る。現在、同社で勤務しているタイミーのワーカーは30~50代が多く、その7割弱が女性だという。日中に時間のある主婦、副業として応募してくる会社員など、幅広い働き手がスキマ時間を使って活躍できる環境がある。

担当業務は、生産ラインで調理した具材をトレーなどの容器に盛り付ける作業やコロッケのパック詰め作業などが中心だ。例えば人気商品の「仙台グルメ麻婆焼きそば」なら、麺、タレ、ネギなど具材ごとに人員を配置し、流れ作業でトレーに盛り付けていく。各生産ラインでは、社員やパートナーなどのベテラン従業員が仕事を教えたり、確認作業をしたりするなど、トラブル防止に向けたフォロー体制も整っている。

他の食品スーパー、製造工場に先駆けて、東北エリアでタイミーを導入してから2年以上。細野工場長は導入効果について、「繁忙期の人手の確保が容易になり、増産分の供給が可能になったことに加え、従業員一人当たりの作業負担が減り、残業の削減や有休取得率の向上にもつながっている」と話す。タイミーの仕組みは、生産効率の向上、働く環境の改善など、多方面で役立っている。

履歴書・面接が不要なため負担が減少する一方、受け入れる企業側はどんな人が働きに来てくれるかわからないという不安は少なからずある。そこで同社では、一度働いたことのあるワーカーだけに求人を限定公開する機能を積極的に活用。特に忙しい時期は、リピーターを中心に採用し、生産ラインに配置することで、生産効率を最大化するとともに、人員配置の最適化も図っている。

タイミーの活用によって生産性の向上を目指す一方で、注意しなければならないのが工場内での衛生管理だ。募集要項に食品衛生に関する注意事項を明記した上で、初めて仕事をするワーカーには、白衣の着用や手洗い、入室の仕方に至るまでベテラン従業員が丁寧に説明する。一度仕事をしたことがあるリピーターであれば、衛生面への理解が深く、安心して仕事を任せることができるという。

リピーターとして勤務するワーカーの引き抜きが無料でできることも導入事業者にとってはうれしいポイントだ。仙台工場でも、長期雇用への切り替え事例が一件生まれている。今後は採用人数も増やしていきたいと考えているという。

大都市圏と比較して地方が抱える人手不足は深刻さを増している。青森や秋田を筆頭に人口減少率は高水準で推移し、今後30年で東北6県の人口は約3割減少するともいわれている。働く世代の減少、高齢化を背景に働き手の確保に向けた採用活動は一層厳しさを増している。

ウジエスーパーのように、惣菜工場が調理や小分け、値付けまでの工程を請け負い、完成品を供給するアウトパック化を推進することで、店舗での人手不足に対処する食品スーパーも増えている。工場での集中生産を重視する動きは、今後、加速していくとともに、人員確保に向けて新たな仕組み作りも求められている。

今は働き手のプライベートが優先される時代。細野工場長は、「多様な働き方を尊重するタイミーの仕組みに“時代の変化”を感じた」と話す。タイミーは、働き手が気軽に職場体験できるツールであると同時に、導入事業者にとっても、欲しい人材と巡り合える可能性を秘めている。同社では、トライアル雇用の側面を生かし、リピーターの長期雇用への切り替えを積極的に進めたい考えだ。

◆タイミー 東北支社リーダー 槇峯茜氏

●東北でもワークバリアフリー

「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションに、時間や場所、年齢を問わず、仕事ができる“ワークバリアフリー”の実現を目指すタイミーの働き方が東北エリアでも浸透してきた。人口減少に伴う人手不足の解消を目的に、食品スーパーや製造工場などで導入が進み、東北での導入事例も増加している。平常時と繁忙期で異なる販売管理の波動や物量の変化に対応し、適正な人手を集められる仕組みが役に立っている。

ウジエスーパーのように早くから導入を進めてきた前例が広まり、タイミーの認知度と信頼性を高めている。TVCMの放送による効果も追い風となり、問い合わせも増えている。

最大の特徴であるワーカーとのマッチング率は、「思っていたよりも早く働き手が見つかる」と驚かれるほど高い。求人の公開からマッチングまでの時間は、仕事内容によって異なるものの、最短一日以内で結果が出る場合も多いという。

働くための条件を満たしていれば、面接や登録会、履歴書なしですぐに働けるという画期的なシステムが魅力だが、事業者に最適な人材を紹介するための機能やフォロー体制も充実している。求人を出すタイミングで勤務に必要なスキルや条件を設定することができる上、条件を満たすワーカーとマッチングした際は相手の基本情報に加えて、タイミーでの勤務経歴、企業側からの評価なども参照することができる。

もしワーカーの情報に不安な点がある場合、マッチングのキャンセルができるなど、事業者が安心して利用できる仕組みを搭載している。

ワーカーにスムーズに勤務いただく上で、タイミーでは、23年6月から「検便検査対応」サービスを開始した。食品工場や飲食店での勤務に欠かせないワーカーの検便検査をタイミーが代行。事業者の費用負担はなく、検便検査が必要な仕事の求人を公開するだけで、検査を完了した働き手とマッチングすることが可能になる。検査にかかる手間やコストの削減につながることから、従来の自社での対応から切り替えるケースも増えている。

欲しい人材に出会えた際の引き抜きも可能だ。同業他社では手数料が発生する場合もあるというが、タイミーでは双方の同意の上であれば、長期雇用への切り替えなど、無料で行うことができる。ワーカーを対象にしたアンケートでは、良い職場に出合えたら「長期雇用に切り替えてもいい」という回答が7割を超えた。双方の関係作りをサポートするとともに、さらなるサービスの向上を目指す。

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