食品産業文化振興会、スポーツビズ・山本社長講演 スポーツ選手の食文化貢献

山本雅一社長

山本雅一社長

 スポーツビズの山本雅一社長は14日、東京・八丁堀の食情報館で開かれた日本食糧新聞社主催の食品産業文化振興会で、「2020スポーツ選手の社会的役割」をテーマに講演した。「平昌オリンピックではカーリング女子のロコソラーレが試合の合間のもぐもぐタイムで食べていた『赤いサイロ(清月)』、ゴルファーの渋野日向子選手がプレーの合間に食べていた『タラタラしてんじゃねーよ(よっちゃん食品工業)』、NBAの八村塁選手が食べて話題となった『白えびビーバー(北陸製菓)』などが瞬く間にヒットするという瞬発力がスポーツ選手にはある」と語った。

 前回の東京オリンピック(1964年)では、その後の食文化として大きく貢献したのが、選手村で食事を提供した帝国ホテルの元総料理長・村上信夫氏が陣頭指揮を執って開発した、セントラルキッチンと冷凍食品だという。大人数に同じ味で料理を提供するという偉業を達成するために、生鮮食品の調理品と遜色のない冷凍技術を駆使した冷凍食品を開発、現在の冷凍食品の礎を築いた。

 今回の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では食文化のレガシーはどうかというと山本氏は「(1)食の安全=社会的基準の一般化(2)食と観戦=商品パッケージ(3)食と健康=アスリートから一般に」と分析。「食の安全」では選手村で提供される食事の素材としてJGAP(認定農場)の食材の使用が義務付けられており、オリンピック以降の食材の「安全・安心」の指針となっていくという。「食と観戦」では、欧米ではポピュラーとなっている観戦チケットと飲食や各種サービスをセット販売することを挙げた。「食と健康」では、元サッカー日本代表の鈴木啓太氏がアスリートと一般人の腸内フローラの分析し、健康体の化身ともいえるアスリートに一般人を近づけさせ、健康な体づくりを指導しているというスポーツ科学の知見を紹介した。(宇津木宏昌)

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