食品産業文化振興会、秋田浩之氏が講演 ウクライナの状況を教訓に
日本食糧新聞社が主催する食品産業文化振興会は8日、講師に日本経済新聞社本社コメンテーターの秋田浩之氏を迎えて「ロシアの侵略、米中新冷戦の行方 ~第3次世界大戦 漂う危険」をテーマに東京・八丁堀の食情報館で例会を開催した。コロナ禍で三密を考慮した会場における講演・受講およびWeb受講とした。秋田氏は「1796年に始まったナポレオン戦争以降、大国間の戦争がない期間が最長となる約70年、平和が続いている。これまでの流れからするといつ戦争が起こってもおかしくない状況だ」と紹介した。「そのような中、力を付けてきた中国と米国が新たな冷戦状態に突入し、2月24日にはロシアによるウクライナ侵攻が勃発」し、緊張感を持って対応する必要があるとした。
18世紀後半から世界の戦争状況を見ると「1792~1815年ナポレオン戦争など(死者400万人)、戦間期39年。54~56年クリミア戦争(同30万人)、同14年。70~71年普仏戦争(同43万人)、同43年。1914~18年第一次世界大戦(同1500万人)、21年。39~45年第二次世界大戦(同6600万人)、同5年。50~53年朝鮮戦争(300万人)、同69年。朝鮮戦争以降、大国間の戦争はなく当然視できない約70年の『平和』が続いている」と説明。
ウクライナの状況を教訓に秋田氏は「日本としては、友好国は大事だが頼りになるのは同盟だ。しかし『天は自ら助ける者を助ける』と政治指導者だけでなく、日頃からの軍統率力を学ぶ必要がある」とした。また、当たり前なことではあるが食料、エネルギーの備蓄強化だけでなく、インフラやネットワーク網の耐久性を高めていくことの重要性を力説した。(宇津木宏昌)