赤城乳業、異例の値上げCM・広告展開

 赤城乳業は25年ぶりに「ガリガリ君」60円を70円に、300円マルチを330円に値上げするのに合わせ、1、2の2日間限定で「値上げ篇CM・広告」=写真=を投下した。今回のCM・広告展開は、値上げに伴うさまざま声や意見に赤城乳業社員が真剣に応えた内容。

 81年発売当時の「ガリガリ君」は50円だったが、91年に10円値上げし60円となった。そこから25年間価格を据え置いてきたが、バーのスティックなど包装資材の高騰、人手不足による人件費高騰や物流費の高位安定などが重なり、企業努力でのコスト削減が可能な限界を超えたため、今年3月11日に、「ガリガリ君」全品を含む11アイテムの値上げを発表していた。

 今回、4月1日出荷分からの値上げに合わせ、昭和の名曲「値上げ」(高田渡)をBGMとして採用。「値上げはぜんぜん考えぬ、年内値上げは考えぬ、今のところ値上げは見送りたい、すぐには値上げは認めない~値上げもやむを得ぬ、値上げに踏み切ろう」と、昭和の当時の新聞見出しをつなげたような歌詞が流れる。社長を含めた社員が出演し、赤城乳業の気持ちをまっすぐに表現した内容の60秒CMとなった。

 値上げによる社員出演のCM・広告は異例中の異例で、アイスクリーム業界でも話題となりそう。同社では、3月は価格改定前の仮需を見込むが4月以降は消費減を食い止める施策として、今後も実写版CMを展開するなどプロモーション活動を強化する。

 (山本大介)

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