#元気いただきますプロジェクトNEWS:岩船港鮮魚センター 国産原料の良さ再発見

小売 特集 2021.01.20 12173号 10面
「#元気いただきますプロジェクト」のステッカーを活用した特別還元キャンペーンが奏功し売上げが拡大

「#元気いただきますプロジェクト」のステッカーを活用した特別還元キャンペーンが奏功し売上げが拡大

岩船港鮮魚センターの安宅謙社長

岩船港鮮魚センターの安宅謙社長

 ◇地域の創意による販売促進事業=岩船港鮮魚センター

 ●加工技術の強みで価値向上

 新潟県村上市にある岩船港鮮魚センターは、日本海の夕日がきれいな名所・瀬波温泉の鮮魚直売センターだ。岩船港の新鮮な魚介を扱うだけでなく、干物や味噌漬けなど手作りの加工技術が同社の強み。安宅謙社長は「#元気いただきますプロジェクト」への参加で、生産者・消費者ともに喜ばれ「国産原料の良さを再発見した」と手応えを感じた。不安定な原料事情などの課題に挑みながらも「国産のブランド力に、当社の強みである手作りの価値を付加し、より伸ばしていきたい」と意欲を示す。

 同社は、岩船港の仲買人が集まり40年前に開業。組合による運営からスタートし、13年前に株式会社化した。大型の駐車場を完備するほか、店内は市場のような雰囲気で買い物ができ、食堂も併設。村上エリアの観光振興と地元の台所的な両面を持つ。近年は毎月イベントを実施し、魚離れなどで低迷していた売上げも徐々に回復傾向だった。

 しかし、新型コロナ感染拡大の影響で観光・土産需要が激減。厳しさが増す中で同業の社長から「#元気いただきますプロジェクト」について「やってよかった」と聞き「お客さまに喜んでもらえて国産品の支えにもなる」(安宅社長)と参加を決めた。ただ、当初は「原料への不安があった」という。通常は塩干しや味噌漬けなどの原料に、脂のりや色みなどでノルウェー産のサーモンやトラウトを使用。今回初めて国内産の養殖銀ザケを使ったが「そのクオリティーの高さを知った」と好印象だった。

 もう一つの不安要素は、販売数量が未知数だったこと。その点も販売期間の20年11月7~20日の2週間、行列ができるほど好評だった。「特別還元キャンペーン」を展開し、商品に「#元気いただきますプロジェクト」のステッカーを活用。“手作りの強み”を生かし、秋ザケのフライ5切れで300円、一番人気のサケの生はらこを通常の半額近くの価格に抑えられ、「何より価格が低く設定できた」ことが奏功した。自社でもYouTubeやツイッターで情報を発信。価格の安さがSNSや口コミですぐに広がり集客につながった。販売期間中の売上げは前年比25%増となり、結果的に多く売れることで趣旨の国産振興にも貢献できた。

 安宅社長は「従業員も目が変わった。忙しさによる疲れは出たが、充実感は大きかった。あらゆる意味で満足できる2週間だった」と振り返る。「#元気いただきますプロジェクト」への参加を機に、今後も国産使用の加工品に積極的に取り組む意向だ。(山本大介)

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