食品産業功労賞、食品安全安心・環境貢献賞贈呈式 偉大な貢献たたえる
第53回食品産業功労賞と第29回食品安全安心・環境貢献賞の贈呈式・交流会が2日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開かれ、食品界の有力者や政・官・学から約350人が受賞を祝うために参集した。贈呈式に駆け付けた野上浩太郎農林水産大臣が「皆さまの努力が食品産業の発展を支えています。食の安全・安心の面でも業界をけん引していることに敬意を表します」と祝辞を述べたほか、山東昭子参議院議長、元農林水産大臣の赤松広隆衆議院副議長、石破茂元農林水産大臣、齋藤健元農林水産大臣も受賞者、受賞企業にお祝いを述べた。贈呈式後の交流会にも山本有二元農林水産大臣、自由民主党総務会長代理の片山さつき参議院議員が祝辞を述べ、元農林水産大臣政務官の高野光二郎参議院議員が訪れた。贈呈式・交流会合わせて4人の元農林水産大臣が訪れた。
交流会に先立つ贈呈式では食品産業功労賞を受賞した17氏に日本食糧新聞社の今野正義会長CEOが、食品安全・安心環境貢献賞を受賞した6企業に杉田尚社長が日本食糧新聞社をそれぞれ代表して記念品を贈った。なお、会場では新型コロナウイルスの感染防止に取り組んで行われた。=9日付に詳報(伊藤哲朗、高木義徳、山本仁)
◆祝辞 農林水産大臣・野上浩太郎氏 農林水産業と前進を
受賞された方々にはお祝いを申し上げ、また日頃から農林水産行政にご協力いただき、感謝を申し上げます。また、今年のコロナ禍の時には一部の商品で需要が増えましたが、生産体制を強化して対応して臨まれ、消費者に供給されましたことにも御礼を申し上げます。
食品産業は食料の安定供給だけでなく、地域の発展にも多大な貢献をしている重要な産業です。輸出をけん引しており、国内農林水産物の大口の需要者でもあります。
国内は少子高齢化で人口が減少して経済が大きく変わろうとしていて、新たな需要先として海外市場が考えられます。
食品産業はデジタル技術と組み合わせたフードテックで経営基盤を確固たるものとし、省力化などで人手不足の解消に向かうためにも、施策をまとめて必要な予算を確保してまいりたいと考えています。これらは3月にまとまった食料・農業・農村基本計画の中に盛り込んでいます。
また農林水産業と食品産業は車の両輪としてともに成長するためにも一定の質、量、価格で食品産業に安定的に供給していくために生産基盤の強化、出荷作業の簡素化などを進めます。農林水産業も食品産業の発展のためにともに前進してまいりたいと考えています。
◆業界代表祝辞 食品産業センター・小瀬〓(あきら)会長 社会問題に多面的な取組みを
わが国の食品産業は、消費者への安全・安心を基本に、お客さまニーズに応えた商品開発と、技術力向上で大きく発展しました。世界人口が増加する中、わが国では少子・高齢化による需要の減少や、深刻な人手不足といった問題があります。
また、SDGsの要請に伴う食品ロス削減、プラスチック資源循環、働き方改革やダイバーシティ、物流の効率化など、社会問題への多面的な取組みが求められています。
これに加え、新型コロナに端を発する深刻な景気後退や生活スタイルの変化など、これまでの常識が通用しません。お客さまの求めるものが変わり、商品も、売り方も変わっていかなければなりません。
業界、業態が異なっても受賞者の皆さまに共通するものは、「お客さまに新しい価値を提供し、需要を創り出された」ことだと思います。価値の向上は業界発展の礎であり、そのためにお客さまの潜在的なニーズを正しくつかみ、顕在化させることの大切さを皆さまから学ばせていただきました。
◆ごあいさつ 日本食糧新聞社代表取締役会長CEO・今野正義 輝く功績、祝意と賛辞
食品産業功労賞は、今回で53回目を数えます。半世紀を超える顕彰となり、受賞者も延べ655人となりました。
本日、受賞の17人の皆さまは食品産業の発展に獅子奮迅の活躍をされました。輝く功績に祝意と賛辞を贈ります。農林水産省、歴代選考委員、関係者のご声援に謝辞を表します。
農林水産省、環境省のご後援をいただいている食品安全安心・環境貢献賞は29回目を数え、今回の受賞6社を含め延べ113社となりました。食品の安全・安心、環境対応は未来に向けた最重要テーマです。今回受賞の6社はSDGs(持続可能な開発目標)への対応や企業の社会的責任を各分野で開花され、ひときわ光る存在の企業ばかりです。
日本食糧新聞社では、日本食糧新聞の電子版が1年間で2.5倍に成長し、コロナ禍で行動変化を実感しています。食の総合展示会「FABEX関西2020」も厳重な感染防止策の下で10月28~30日まで開催し、お客さまに喜んでいただきました。
11月18日からは、西日本の食品スーパー18社さまと「フードストアソリューションズフェア2020」も開催する予定です。紙面・画面・場面で、多様で多彩な食の総合メディアサービス集団として前進を続けていきます。