ふりかけ・お茶漬け、互いに市場補完 弁当・食卓でご飯食維持

水産加工 ニュース 2022.04.22 12391号 01面

話題性で先行する三島食品の「ゆかり」きょうだい、広島のイオン宇品店では店主導で大陳

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 ふりかけ・お茶漬け市場は互いに補い合って550億円規模を維持している。コロナ以前は家庭内食が減り、ふりかけの弁当提案でけん引。以後の弁当減少はお茶漬けの内食増が埋め合わせた。原材料などのコスト高による値上げはお茶漬けが先行。ご飯の食欲増進、米飯文化を維持する価値に合った、適正価格を問う。

 市場は「ただ今お茶づけ中」CMが流行した、2000年ごろの600億円以上がピークとみられる。後は中食、外食への需要シフト、ご飯食減とともに縮小。丸美屋食品工業を中心に混ぜご飯の素、ソフトふりかけを市場構成比3割まで育て、補ってきた。弁当、おむすびを彩りよくし、調理と食事を前向きにする強みを生かしてきた。

 コロナ禍は学校や職場での弁当をなくし、食シーンは家庭内に集中。湯漬けしてご飯を食べやすくした、お茶漬けが内食増で選ばれた。20年市場の大幅増を21年は維持し、ふりかけの縮小分を埋めた。醤油、味噌などの基礎調味料と同規模の家庭用市場を守っている。

 ふりかけは今、弁当需要が復調しても停滞。少子化が響いている。大人消費に頼るのも成熟社会の縮図とみられ、先細りは明らか。永谷園の「めざまし茶づけ」の成功にならい、メーンユーザーの実食価値を再訴求すべきかもしれない。

 お茶漬けは「めざまし」で新生活を乗り切る、朝食での機能性を提案。必需品へ価値を高め、永谷園は6月から7年ぶりに値上げする。両市場で多く扱うサケはロシア産が8割を占めて、制裁合戦の供給不安も危惧される。今後も市場を続けられる価値向上、単価アップが望まれる。=関連記事「ふりかけ・お茶漬け特集」(吉岡勇樹)

 ●関連記事「ふりかけ・お茶漬け特集」

 https://news.nissyoku.co.jp/special/845051

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