惣菜弁当ローカル紀行:〈兵庫〉まるなかのひねぽん 日販30~100kg

2019.07.01 485号 12面
まるなかのひねぽん

まるなかのひねぽん

備長炭でいぶし1~2mmスライスカット

備長炭でいぶし1~2mmスライスカット

「本当にやってるの?」と心配になるシャッター街の奥立地で営業

「本当にやってるの?」と心配になるシャッター街の奥立地で営業

 ●親鶏とポン酢をあえた播磨名物

 「ひねぽん」とは、親鶏(ひね鶏)を焼いて裂いてポン酢に漬けたもので、兵庫県南西部で親しまれている地域料理。卵を生まなくなった親鶏は、栄養が肉全体に行きわたるので、食感こそ硬くても味わいは濃厚。コリコリの噛みしめ感とポン酢との相性がクセになるほど心地よい。

 発祥は1969年創業の鶏肉専門店(有)まるなか。山陽電鉄の各駅停車しか停まらない江井ヶ島駅から徒歩3分ほど、シャッター街と化した総合市場の奥に立地しながら、遠方からも多くの客を集めている。日販は平日30kg、休日50kg、盆暮れは故郷の味を懐かしむ帰省客も交えて100kgにも達する。

 ひねぽんの調理は、親鶏を白醤油ベースの独自ダレに漬け込むことから始まる。それを一晩冷蔵庫で熟成させ、味をさらに染み込ませる。翌日、備長炭の直火で焼き上げ、細かく裂いて、独自ポン酢と白ごまと合わせれば完成だ。

 いまや多くの店に広まり、地域名物に定着しているが、元祖まるなかの味わいは別格。備長炭でいぶした強い香ばしさと、厚さ1~2mmに裂いた食感は、熟練と手間を要するので簡単にはまねできないという。

 そのまま酒のおつまみ、白飯のおかずに、野菜とあえてサラダにと、使い方は自在。「買った翌日くらいが、ポン酢がなじんでよい」という声もあり、お土産用の大量買いも少なくない。JR新大阪駅、新神戸駅で冷凍商品を販売している。

 ●「まるなかのひねぽん」

 税抜き600円/200g 税抜き900円/300g/税抜き1,500円/500g

 カップをひっくり返して皿に盛り付けると、カップ底にたまっていたポン酢が上から流れ落ちて鶏肉全体によくなじむ。

 ◆店舗情報

 「まるなか」 経営:(有)まるなか

 兵庫県明石市大久保町江井ヶ島763-1

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