数字で読み解くフードサービストレンド:値上げで外食を減らした人は12%と少数派

2023.02.06 528号 07面

 値上げが続き、この1年で2回目、3回目の値上げを実施している企業も出ています。外食・中食市場情報サービス「CREST」を提供するエヌピーディー・ジャパンが2022年10月に実施した調査「センチメントスタディ」で、値上げによってどのような消費者の行動が起きているのか、探りました。驚いたことに「値上げの影響で、外食を減らしている」という人は、12%に過ぎませんでした。

 コロナ禍から通常の生活に戻るにつれて、外食は増える傾向がある中で、値上げだからといっても外食を減らす人は少数であることがわかりました。より多かったのは、「値上げの影響で、より安い商品を買うようにしている」で26%、「値上げの影響で、より価格の安い店を利用するようにしている」が17%でした。外食の回数を減らさず、安い商品や安い店にシフトしている方が多数派ということです。

 市場全体で、競合を含め値上げしているときは、通常の競合だけでなく、業態を超えて消費者がシフトしてくる可能性も高いです。新規顧客を獲得し、固定ファンを離さないためには、(1)直接の競合店と比較される商品については、競合より安い価格を提示すること(2)付加価値のある商品、ファンの多い看板商品については、値段の勝負ではなく、価値をアピールする、という二段構えで商品戦略を考えることが効果的でしょう。

 (エヌピーディー・ジャパン 東さやか)

【グラフ】食生活全般に対する意識

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