喫茶店はいま 喫茶店の二毛作は可能か、キーポイントは昼と夜の演出法

1992.04.06 1号 12面

喫茶店の活性化は、どのようにしたらよいのか、問題になるところであるが、全国で一〇万店前後までになった喫茶店は、ある意味では、生き残れた店であって、今後は、どのように売上げを図っていくかがテーマとなる。先きに「プロント」の二毛作店について記したが、通常の喫茶店で二毛作は可能なのか、この点についてプロントの運営をしている㈱ブレスの専務取締役・貞住武彦氏に聞いてみた。同氏は「原則的には可能だ。しかし、ただ5時になったからアルコール類を出せば良い」という考え方では、絶対に失敗する。いかに、昼間と夜の演出を変えるかということがキーポイントとなる。このためには、店内のインテリアを変える必要がある。ショットバー的な雰囲気をだすためには、どうするかがポイントになる。また、メニューも変えなければならない。アルコール類でも、ただビール、ウイスキーを揃えるだけではうまくない、やはり、バー的な雰囲気をだすためには、それだけのビール、洋酒も必要、当然、夜のユニホームも違った方が良い。このように簡単にあげただけでもいろいろ問題がでてくる。仮に、喫茶店が二毛作をしてみたいというのであれば、納入してくれているロースターさんに十分聞いた上で実施した方がよい」と語っている。

また、喫茶店内の挽売りコーナーであるが、これが簡単に売上げに寄与しそうであるが、挽売りコーナーを持っている喫茶店に聞いてみたが、成功している例は、その店で出しているコーヒーと同じであるということを強くアピールしているという。店にこれないときは、店と同じ味が家庭でも飲用できることをPR、このため、家庭のコーヒー抽出器具は、何を使用しているか、きちんと聞いて、次回購入する時は、黙っていても「貴方のコーヒー器具、こうだったですね」と確認してから売っているという。客側は、それだけで信頼度を深めてくれるという。

純然たる喫茶店ではないが、豊橋にある倉田コーヒーは、挽売りコーヒーでは、全国一ではないかと思われるが、ここでは、客の管理がきちんとされており、どの客は、どのような種類のコーヒーを、どのくらい買っていくかまで、しっかりつかんでおり、顔を見ただけで、だまっていても、商品が出てくるという。

このため、日常の会話だけで済み、客と店側が良い関係にあるという。コーヒーが新鮮な商品という観点から、喫茶店での挽売りコーナーはやってみる価値はある。

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