韓国のFF事情 1番店はKFC、ドトールは年内に20店舗へ

1992.04.06 1号 15面

韓国でいま、ファーストフード(FF)が若者の間で人気急上昇、多店舗化が進んでいる。食のファッション化、簡便化は同国でも大きなトレンドになっているようだ。そこで、ソウルの“竹下通り”ともいうべき明洞通りを取材した。「韓国のFF事情」を報告する。 (冨田怜次記者)

韓国のヤングのファッションは明洞通りから生まれるという。ブティックが並ぶ同通りの“アフター5”はソフトスーツに身を包んだ若いカップルで溢れている。韓国版“シブカジルック”だ。さっそく一番の繁盛店「ケンタッキーフライド・チキン」に入ってみた。ところが約五〇席あるテーブルは満席、カウンターの前で席を待つ客が列をつくっている。しかも店内の客は二〇代前後の女性ばかり。あわてて店外に出る仕儀に。店の前は角地なこともあって、友人か恋人と待ち合わしている女性が十数人立っている。さすが、一番店と納得した。

「韓国のヤングはフライド・チキンが大好き」と観光会社のガイドさんが教えてくれた。韓国は焼肉で有名だが、その肉の大半はオーストラリアから冷凍牛肉を輸入している。フライド・チキンがトレンディなのだ。

「ドトールコーヒーショップ」も繁盛店だ。日本ドトールコーヒーとエリアフランチャイズ契約している韓国ドトールが展開している。明洞通り周辺に六店舗を出店している。店の作りは日本と同じだ。コーヒー一杯八〇〇ウォン(一ウォン‐〇・一八円)の値段。ソウル市内の一般の喫茶店の値段が一〇〇〇~一五〇〇ウォンだから日本と同様に安い。日本の場合は中年のサラリーマンが客筋だが、こちらは若者が中心。コーヒーの味は日本と同じだが、“ビッグドッグ”“ツナシュリンプ”は違う。しかもパンが冷えたまま。たぶん店員へのマニュアル教育ができていないためだろう。韓国ドトールコーヒーの金浩永FC統括本部室長は「パンとソーセージは韓国内のメーカーに依託生産している。今は日本からのレシピ通りに作っているが、今後は韓国人の口に合うようにアレンジしていきたい」という。さらに「現在、RC、FCをソウル中心に一一店舗出店しているが、今年中に二〇店にする計画だ。韓国の喫茶店は九〇%がインスタントコーヒーを使用している。他のFFとの相乗効果で本物のコーヒーの味を広めていきたい」と目を輝かせる。

物価高騰で不況感が強まるなか、「追い風にしたい」(金氏)ということばに説得力があった。

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