話題の飲食施設 デックス東京ビーチ(東京・港区台場) 飲食店26店が勢揃い
7月12日、シーサイドビーチ(東京ウォーターフロント)のお台場に、新たな集客スポットとなる物販・飲食・アミューズメントの六階建て大型複合商業施設「DECKS・TOKYO・BEACH」(デックス東京ビーチ)が開業した。この施設は今年4月に入ってオープンした国際展示場「ビッグサイト」、オフィスと商業の複合施設「ワンザ有明ベイモール」、お台場海浜公園の「サンセットビーチレストラン街」に続く大型施設で、先発施設との補完および相乗効果によって、お台場、有明地域への集客力は一層高まることになる。
デックス東京ビーチは鉄骨造り地上六階建て。外装がグレーで統一されており、海とビーチ、樹木など周辺環境と調和するデザインだ。
ビーチサイドから全体を見れば、四~五万tクラスの客船の形にみえる。「DECKS」とは船の甲板=DECKから採ったネーミングで、施設のデザインは文字どおりに「船」をイメージしている(施設運営管理会社は(株)住商開発センター)。
「都心に近くて、目の前が海とビーチですから、非常に恵まれた立地環境にあるわけです。ですから、このすばらしい環境を生かすために、できるだけ施設はオープンにし、各フロアから海が見えるようにデッキを設け、また、ビーチ側からも自由に施設に入れるよう、一階から六階までに外段階を設けているのです。このため、商業施設には珍しく、防犯上のリスク、コストの問題もありますけど、全部で七四ヵ所もの出入口があり、各フロアの店舗が“路面店”という雰囲気にもなっているのです」((株)住商開発センター・台場運営管理部武藤吉夫部長)
ビーチサイドというオープンな雰囲気を生かすために、地域への来街者が気軽に出入りできる施設、エキサイティングで楽しい店舗群、集客機能を大きく備えたレジャー、商業施設を実現したということだ。
この施設はセガが展開する都内最大規模で、最先端技術を駆使した“アミューズメントテーマパーク”(ATP)「東京ジョイポリス」、物販二九店、飲食二六店(単独店のみ)の三つの業種で構成する。
ジョイポリスは世界初公開のハイテクアトラクション(八機種)の展開、物販はシーサイドという立地を反映して、アウトドアスポーツやバラエティー雑貨。飲食はサンドイッチチェーン「サブウェイ」などFF系から、日本料理「つきじ植むら」といった本格レストランまで、多様な業態を展開する。
また、飲食分野の売りの一つに地ビール「Decks・Tokyo・Brewery」(台場地麦酒)がある。地ビールの本場ドイツの醸造技術をモデルに、プラント化したもので、上面発酵でデュッセルドルフに伝わるコクのある“アルト”、ケルンの街で愛飲されている清涼感のある“ケルシュ”の二タイプを製品化している。
フレッシュさが最大ポイントであるので、週三回の仕込みで一キロリットル(中ジョッキ=五〇〇ミリリットルで二〇〇〇杯分)と少量生産だ。
主として、一階の魚料理の店「魚九」、五階ビアレストラン「サンセットビーチブルーイングカンパニー」で飲むことができる。
DECKSの飲食店舗はオープンテラス付きが多く、一店舗平均七〇坪の大きさ、大型店では一五〇坪以上の規模もある。飲食店舗の総面積は一六〇〇坪。物販と同じ規模だ。
初年度売上げ目標五〇億円。客は、首都圏全域からやってくるので、絶体客数は多く、この数字は十分にクリアできる見通しだ。
さかな三昧「魚九」。一階(北側)角地に位置している路面店。街中の店と変わらないシックで、小粋な雰囲気を漂わせている。
店舗面積一七〇坪、客席数二四〇席。日配の鮮度の高い魚介類、単価五〇〇~六〇〇円を売りものにしている。
アルコールは地ビール(台場地麦酒)も提供。立地環境的には“観光地”だが「ロケーションに頼らないで、質のいい料理とサービス(ホスピタリティ)で、集客力を発揮していきたい」と話すのは、前田克美マネジャー。
ランチも提供。客単価昼一二〇〇円、夜三三〇〇円。月商二〇〇〇万円を目標にしているが、現在のところ売上げは順調に推移している。
営業時間は午前11時~午後9時30分。
・所在地 東京都港区台場一‐六‐一
・敷地面積 約五七〇〇坪
・建物構造 鉄骨造り地上六階建て
・延べ床面積 約一万三〇〇〇坪
・工期 平成7年3月~平成8年6月末
・建設費 約一〇〇億円
・オープン 平成8年7月12日
・施設内容 物販・飲食・アミューズメント(複合商業施設)計五六店舗
・事業者 住友商事、住友生命保険相互、大成建設、台場開発、興和不動産、住友建設
・設計 日建設計・大成建設一級建築事務所、台場B街区商業施設共同設計室
・施工 大成・住友建設JV
・初年度(年間)売上げ目標 物販・飲食一〇〇億円、アミューズメント=セガ東京ジョイポリス四〇億円、計一四〇億円
・施設運営管理 (株)住商開発センター(03・5500・5050)
・一階(一〇店)=BUGER・CAFE&BEER・BAR「カフェ・アトランタ」▽甘味お食事「麻布茶房」▽お好み焼き「月花亭」▽サンドイッチ&サラダ「サブウェイ」▽手作りおむすび「おむすび権米衛」▽パスタ&ジェラート「ジャッセッセ」▽そば・天ぷら処「通」▽居酒屋「魚九」▽無煙炭焼き肉「炉や」▽ベーカリー&カフェ「ポンパドウル」
・三階(三店)=カフェ「ネイチャートレイル」▽オープンカフェ「エスプレッソアメリカーノ」▽タコス&ドリンク「タコアミーゴ」
・四階(三店・複合店)=キャラクター雑貨・菓子・カフェ「ベアホリック」▽自然関連雑貨・喫茶「ザ・ネイチャー・カンパニー」▽服飾雑貨・ティールーム「マリナ・ド・ブルボン」
・五階(九店)=すし「築地玉寿司」▽とんかつ「和幸」▽西洋食堂「カフェグリルビッグシェフ」▽イタリアンレストラン「トラットリアマルーモ」▽インド料理レストラン「カザーナ」▽ビアレストラン「サンセットビーチブルーイングカンパニー」▽台湾料理・点心「シンイエ臨海楼」▽日本料理・しゃぶしゃぶ「つきじ植むら・洋玄」▽地ビール・DAIBA・BEER「Decks・Tokyo・Brewery」
・六階(四店)=地中海レストラン「ザブザ」▽カフェレストラン&バーレストラン「オイスターカフェ・ランテルナ」▽カリフォリニアカフェ&グリル「ピンクス」▽鉄板焼きレストラン「鉄板焼えの木」(二階は全フロア駐車場=一階合わせ四〇〇台)