第一線で活躍する女性シェフ ラシーン・篠原澄江さん 自然体で調理

1996.08.19 107号 2面

「コックは誰でもなれる、この仕事は精神的にどこまで耐え、継続していくかだ」と軽食・喫茶「ラシーン」のチーフとして活躍するのが篠原澄江さん。

高校卒業後、昼間は誠心調理師専門学校へ通い、夜は日本料理店でのアルバイト。専攻はフランス料理だった。

毎日が時間のやりくりだったが、コックという目標を目指し意欲で乗り切る。畑違いの和食店での経験は、食材に対する気配り、人をもてなす精神、仕事に対する心構えなど「お金には代えられない貴重なものだった」という。

卒業後、街場のレストランからロイヤルホテルに就職するが、「想像以上にレベルが高く、知らない食材など未知のものが多すぎ、急激な変化についていけなかった」結局四年間で退職。

この間、女性登用に積極的だった調理長からはレストラン、宴会と「厳しかったが、性別に関係なく一通り教えられ」それが今に生かせているという。

現在、スタッフ全員が女性の「ラシーン」は、キッチン四人、ホール八人の構成。チーフの篠原さんは調理と同時にスタッフの管理、教育も担当する。

女性チーフ採用については「スタッフ全員女性の喫茶店をやるのが夢。就職氷河期の今こそ、意欲ある女性に元気を出してもらおうと採用した」(水谷次郎取締役)

結果として以前に比べ本格的料理メニューの幅が出た。また、作ると同時に人の管理もできる新しいコックの姿として、後輩たちにも夢を与えている存在と評する。

「以前は男に負けたくないと意気込んでいた。今は女同士自然体で仕事ができる。今後、販促、新メニュー開発など自分たちの創意工夫でいろいろ挑戦してみたい」と意欲的だ。

「ラシーン」東京都中央区八重洲二‐一、03・3274・5986

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