インサイドレポート 低価格コーヒーチェーンのシェア争い ドトールコーヒー
ドトールが直営でのノウハウを蓄積して、「ドトールコーヒーショップ」のFC展開に踏み出したのは、昭和55年10月のことだ。東京・青山店がその第一号店で、当時コーヒーの価格は三〇〇~四〇〇円が一般的だった。
それをFCシステムとファストフード的な店舗オペレーションによって、五割ものプライスダウンで、喫茶市場にインパクトを与えたのだ。
FC展開一五年後で四〇〇店以上(ドトールコーヒーショップのみ)の出店。
しかし、出店数でみた限りではファストフードや他の飲食チェーンと比べれば、まだまだチェーンスケールは小さい。
だから、バックバスターが進出してきた、ベローチェだ、プロント、ジラフのチェーン展開だといっても、まだ真の競合関係にはなっていないと考えている。
「ハンバーガーのマクドナルドやモスバーガーが、一企業で一〇〇〇店を超えていますからね。業種は違いますが、セブンイレブンなどコンビニは何千店です。そうみるとドトールの出店数は小さい。たしかに、立地面とか、いろんな出店形態がありますから、その面で競合する部分があるかも知れませんが、市場は奥深くまだまだ共存していけ、他社を気にしている場合ではないと考えているのです」(ドトールコーヒー社長室足立荒男室長)
低価格ドトールの出店はオフィス街、商店街、繁華街、ショッピング施設内、郊外立地と多様で、この出店エリアも首都圏、京阪神の二大商圏を軸にして、北海道から九州、沖縄にまで拡大し、一〇〇〇店体制を目指している。
店舗面積二〇~三〇坪前後、売上げは一〇〇〇~一六〇〇万円。FC加盟は喫茶の不振店や物販、サービスなど他業種からがほとんど。加盟金は一五〇万円(ほかに加盟保証金一五〇万円)。一オーナーが二、三店を出店するというケースも少なくない。
・企業名/(株)ドトールコーヒー
・チェーン名/「ドトールコーヒーショップ」(DCS)
・会社設立/昭和37年4月
・所在地/東京都港区芝浦三‐七‐七(Tel03・3456・2351)
・資本金/一九億六四六八万円
・代表取締役社長/鳥羽博道
・従業員数/約五〇〇人
・出店数(全体)/直営八四店、FC五八八店、計六七二店(九五年度)
・売上高/三九五億円(前年比一五・三%増、同)