地域ルポ 西麻布(東京・港区) 交通不便がハンディ、ひいきはファッション・マスコミ
「一〇年くらい前にトンネルズが唄った『雨の西麻布』というのがありましたね。そのころが西麻布が最高に燃えていた時代ではなかったでしょうか。ここは六本木に比べて路線もなく、交通の便では大きなハンディがありますから、店を出すにしても個性を出していかなくては、客を引っぱることは難しいわけです。ですから、どう客を吸引するかということで、努力もし、個性を発揮する。この結果において感性のある飲食施設が集積し、音楽、テレビ関係とか、ファッション、マスコミ、アーチストといった人たちが働き、来街するようにもなったのです。もっとも、ポストバブル時代は以前のように個性的な店の進出は少なくなりましたし、浮ついた経営でつぶれた店も少なくないのです」((株)遠山商事遠山光雄社長)
遠山商事は西麻布地域には二〇年前に出店した焼き肉レストラン「十々」をはじめ、バー、無国籍料理の店など五店舗を展開する地域の老舗的な存在の飲食企業だ。