トップインタビュー ストロベリーコーンズ・代表取締役・宮下雅光氏

1996.09.09 109号 10面

昨年からの景気低迷はようやく底を打った。デリバリーピザの業態動向も回復基調にある。いままで幾度も頭打ちの経験はある。だが、今回の厳しさは従来のような競合や飽和という諸問題はさておき、本部の組織力、開発力、システム力、指導力の差が改めて明確化したと思う。

少なからず店舗数の多少がチェーン格差の物差しにならないことは実証したといえるだろう。これを節目に今後は、企業化に向かうチェーン、足踏みが続くチェーン、個人店舗と、業態内の流れが分裂すると思う。

メニュー動向については、クリスピーが市場活性化の起爆剤になるだろう。当社の実績では、クリスピー導入後、各店とも前年対比月商一二〇%前後を記録。東京・目黒店では前年対比一三五%でクリスピーのオーダー構成比が七割を超えている。

スナック感覚が支持され、アルコールのおつまみとしてのオーダーや、ヘビークラストは嫌いだったという層からの新規オーダーが相次いでいる。デリバリーピザの新たなシーンを創出するアイテムとして今後も期待したい。

インターネットの普及をにらんだ通信事業体制の整備拡充が課題。数年後には、インターネット機能付の家電製品が続々と発売される。例えばテレビ。小型カメラ付(利用者を映す)のテレビの登場で、テレビ画面で相手を見ながらのテレビ電話が現実化する。

当社では通信システムの普及に合わせた画面接客サービスを新規開発の課題としている。通常営業のイートイン併設、接客サービス強化はそれらを想定してのこと。

今後の情報化社会はデリバリー業態に最適な環境。顧客リスト、商圏データに基づくマーケティングはデリバリーピザ店の十八番。多角化に拍車がかかるだろう。

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