バラエティー豊かなロシア料理 世界的なストロガノフ、ボルシチは50種近い変化
ここでロシア料理の代表的なメニューと食材を具体的にあげてみると、前菜(ザクスカ)西洋料理にみる前菜は、ロシアのザクスカが元祖となっている。冷菜は、キャビア、イクラ、ハム、にしんの酢漬、トマト、キャベツの酢漬、玉ねぎのたらこ合え、カニゼリーよせ、レバーペースト、肉のゼリーよせ、胡瓜酢漬、ゆで玉子のえびのせ、サラミソーセージ、チーズ各種、スモークサーモン。温菜は、ボルシチがロシヤスープの代表であるが、このバラエティーは五〇種に近い。肉や野菜(特にビート、トマトなど)を時間をかけてゆっくりと煮込む。最後にサワークリームをかけて仕上げる。ボリウムが多いので、食べる人は注意。その他スープにきのこ(ロシアは有数のきのこ産出国で野性的なものも多い)野菜だけのスープ、魚スープ、鶏スープ、シチュー風などもみられる。
▽肉料理‐ロシアでは牛、豚、鶏肉の順に価格が高くなる。ビーフストロガノフは、ロシアでは、代表的な肉料理の一つ。ロシアの豪商で後に貴族となった人の名前、牛肉と小量の野菜と牛乳、サワークリームを、貴族は空腹の深夜につくったところ美味なので、客を招いた時に、食卓に並べると、客は珍しさも手伝って食べて評判になった。現在ではフランス料理(ソーテ・ド・ブック・ストロガノフ)として世界的な名料理となっている。
作り方は①バター大さじ二杯で、シャンピニオンを炊め、良質の牛肉の厚切りを入れ、よく炊める②小麦粉大さじ二杯入れ、さらにパプリカ小さじ一杯を加えてゆっくりと煮込む。塩・こしょうで味をととのえて、ブランデーを二グラスほど入れ、最後にサワークリームを四分の一カップを加える。付け合わせにサフランライスがよい(フランス風)。
▽キエフ風鶏カツレツ‐料理のおいしいウクライナ地方の名物料理である。特に地鶏が美味。日本でも地鳥を使うとうまい。①若鶏の骨なし手羽、ささみ、バター、鶏足の骨を用意②足の骨をゆでておく③鶏の厚さ部分やささみを開き厚さを均一に④鶏肉の胴に近い部分に足骨をさし、冷やして固めたバターを骨にさし込みバターの上に塩こしょうする⑤肉でバターを包み完全にかくれるようにする。人参形にまとめて小麦粉をつけパン粉をつけ、低温で十分間あげる。とけたバターが肉にしみ絶妙な味に、じゃがいもフライ、人参、セロリの葉を添える。