人気のロシア料理店 「バラライカ」(銀座) ウオツカに合う料理
銀座五丁目にあるこの店のオープンは昭和39年。(株)バラライカの経営で、この社の開業は昭和27年、神田に一号店をオープンさせた。現在銀座店を入れて三店舗ある。
「ロシアの雰囲気で、一八~一九世紀のロシア宮廷料理を味わってもらおうというコンセプトです。当時のロシア料理だけにこだわって提供しているのは、日本でもウチだけだと思います」と支配人の東治男さん。
一〇〇坪、三〇席の店内に入るとまず目につくのは、各テーブルの真っ赤なテーブルクロス。そしてその上には、炎をともした赤いキャンドルが置かれている。そのため、店内の照明を極力おとし、落ちついた雰囲気がある。それもそのはず、店内はモスクワ一のレストラン「スワビアンスーキーバザール」のイメージで仕上げたからだ。
「客層は幅広いですね。平日は政治家、作家の他、社用でもよく利用していただいております。それに対して日曜、祝日は家族づれが中心で、一年に一度か二度贅沢をしようと地方からこの店を目指していらっしゃって下さる方が多いですね」と東さん。客単価はランチタイムで一〇〇〇円、ディナータイムで一万四〇〇〇円位。ただバブルの影響で、社用の客は減ってきている。それでも価格を下げるなどの計画は全くない。
メニューは昭和45年と55年に二度変えただけ。本場のものよりもニオイを押さえ、塩分を控えめにしているという。人気メニューは「ガルショーチク」(四八〇〇円)。牛肉と野菜をシチューのように煮込んであるもの。オープン当時は子羊の串焼きの「シャシリック」(三八〇〇円)が人気があったが、最近では煮込み料理の人気が高くなって来ており、客の好みの傾向が変わってきている。
珍しいのはバラライカを奏でる専属のバンドをもっていること。独自に教育したというこのバンドのステージは毎日五回。レコードやカセットもプロデュースして製作した。雰囲気作りと共に、ロシア文化をアピールしている。