バラエティー豊か ロシア各地の名物料理

1992.09.07 11号 14面

ロシアは広大な土地である。したがってロシア料理といってもいろいろその土地で特徴をもっている。そこで、各地の名物料理をとりあげてみた。

《冷凍魚のルイベ風》 ▽グルジア‐シャシリック、串にさして炭火で焼いたもの。羊肉、牛肉、豚肉など、羊肉はコーカサス風、牛・豚肉はモスクワ風。

▽シベリア‐ベルメニ、ロシア餃子、寒いシベリアで冬場に向けて大量につくり家の外に置く。完全に冷餃子となり、長い冬の間を楽しむことができる。魚料理はマロジャナ・ルイベ、北海道にみるルイベの原型。魚の冷凍で仮死状態をナイフで削りながら食べるシベリアのだいごみ。薄くシャーベットの味を楽しむ。川・湖の魚が多い。

▽コーカサス‐アルメニア、アゼルバイジャン、グルジア地方で黒海とカスピ海の間の地方で豊かな土地で長寿者が多い。アセトリーナ(ちょうざめ)料理が有名で、シチュー、グラタン、照焼きにされたものが美味。キャビア・ビージーガー(ちょうざめの骨でゼラチン質)も珍味である。また、この地方はワイン、ブランデー、紅茶などの生産地、果物も豊富である。

▽ウクライナ‐コーカサスとならぶ穀倉地帯、キエフの鶏のカツレツを始め、ボルシチ(ウクライナ風)、パンなどは秀逸。コーカサス同様に果物が豊富で美味、ケフィールやチーズも多産され酪農業も盛んである。

▽ウズベク‐中央アジアに入りカザフスタン、ウズベク、タジク、キルギス、トルクメンの五共和国がある。ヨーロッパ、ロシアとは異質で、緑茶、麺、米などを食べる。麺はラプシャとよばれる日本のひもかわに近いものである。またラグマンとよばれる麺は中華麺とほぼ同じで何れもシルクロードに当り中国からの影響を大きくうけている。キルギスのキシメンは日本のきしめんと全く同じである。寒冷のため小麦粉はたん白が多く強力粉が製麺原料として使われる。夏場は南ロシア地方は暑く米を材料としてピラフ(プロフとよぶ)もよくたべられている。

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