お店招待席 お好み焼き「千房」(西武池袋店) 清潔・迅速がモットー
「千房」は大阪を拠点とするお好み焼きチェーン。コミュニケーションサービスをモットーに全国四〇店強を展開する。繊細な接客マナー、厳選素材によるメニューに定評があり、女性層からの支持は高まるばかりである。お好み焼きの総合企業を目指す千房チェーンは業態開発にも積極的。最近はDRの「ぷれじでんと千房」、FFの「ちぼっと」を立ちあげるなど事業多角化に拍車をかけている。四年前の渋谷店を皮切りに関東圏へ進出。このほどオープンした池袋店では関東の客層を意識した新展開をもくろんでいる。9月11日オープン以後、四五坪・八七席で月商二〇〇〇万円弱と上々の滑り出し。八割以上が女性客という「女性に人気の店」をリポートする。
「千房は人との出会いを大切にする店」と池袋店店長の長沼さん。そのモットーは千房チェーンの誇りである。画一的なマニュアル展開を避け、地域ニーズを踏まえ、それぞれの店舗が独自の展開パターンを構築する。それがリピーターの多い千房の強みであるという。
池袋西武デパート内のテナントである同店のユーザーターゲットはショッピング客。「買い物時間の邪魔にならぬようクイックサービスが展開の基調。素早く焼き上げる調理オペレーションの構築」を目指している。
例えばテーブルの電磁調理器導入もそのひとつだ。電化のメリットを生かし温度調節と焼成時間をメニューごとに数値化。調理のマニュアル化でテーブルサービスはアルバイト任せでもスピーディー。また、電磁調理器は排熱が少なく油煙が飛ばない。清潔に食事が楽しめる。「実際、スピーディーで清潔であることが受けている。すでに獲得したリピーターもそのへんを意識しているのでは」という。ちなみに千房チェーンは四年前からの新規店舗にはすべて電磁調理器を採用している。
厳選素材も千房チェーンの魅力。山芋ベースの溶き粉はふっくらとして腹にもたれず。エビは有頭のマダガスカル産。豚バラ肉はロースに、タコは明石ダコに限定。柔らかめのマヨネーズはソースによくなじむように独自開発したもの。ソースは生ソース、焼成後に酸味がなくなる工夫でフレッシュ感を演出している。あげ玉もオリジナル開発したもの。これら素材のほとんどは、メニューの出来上がりを想定したPB開発である。
「活力再生の源」を店舗のテーマに掲げる千房池袋店。「関東圏におけるお好み焼き市場の成熟はこれからが本番」と店長の長沼さんは意気揚々である。
「初めて来たとき、量が多すぎて半分残してしまったのですが、店員さんが親切でテークアウト用にきれいに包んでくれました。それ以来千房の大ファンに。関西弁を話す人は怖いのですが、ここの店員さんはソフトな語り口の関西弁で接してくれるので気さくな雰囲気が楽しめます」と語る大川輝美さん(31)=写真右=と市村朝美さん(31)。
「千房」西武池袋店
〈創業〉平成8年9月
〈所在地〉東京都豊島区南池袋一‐二八‐一西武百貨店池袋店八F、Tel03・3980・3351
〈営業時間〉午前11時~午後9時、定休日は西武百貨店と同じ木曜日
〈店舗面積・席数〉四五坪、八七席
〈従業員数〉社員四人、アルバイト(登録)四〇人
〈客単価〉一六〇〇円
〈一日来店客数〉平日二五〇人、週末二〇〇人
〈客層〉主婦層・OLを中心とした女性が八割を占める。
〈売上高〉月商二〇〇〇万円
★特選定食「なにわ」(お好みベジタブル焼または池袋特製ミックス焼、とん平焼、味噌汁、アイスクリーム)………… 1,390円
★ペアセット(千房焼、ネギ焼ミックス、ミックス焼そばのうち二種類選ぶ、野菜炒め、ポテトチーズ焼)………………… 3,180円
★ぷ・モンジュ焼(クレープに焼そば)…………………………………………… 1,690円
★池袋・特製ミックス焼(ポテト、ベーコン、オニオン、チーズ、もち)……… 1,290円