夢あるお店 3坪レストラン-アイテム絞って効率追求 ドルフィンショップ

1996.12.02 116号 2面

ミニショップでありながら、レストランでは対応できない部分を効率よく稼働させているのがドルフィンショップ「パート1」と「パート2」だ。

夏休みやゴールデンウイークのシーズン中は、品川水族館への来客が多く、一日の来客数が一万人近くなる。施設内の既存レストラン「ドルフィン」では対応しきれず、新たな店舗を模索中、建築許可不要のミニショップの存在を知る。

三坪弱、建物一五〇万円、厨房設備一〇〇万円、計二五〇万円、飲食店営業許可(水槽、給湯、手洗い設備の設置が義務づけられている)を得たミニショップは、昨年3月、「パート1」としてデビューした。

「パート1」は、レストランのウエーティング客や通行中に軽く食べたい人に、できるだけ多く、しかも速く対応できるように焼きそば、たこ焼き、ホットドッグなどメニューを絞り込み、効率性を追求する。

今年7月には、夏休みを前に「パート3」がオープン。同じく三坪未満だが、「パート2」との差別化を図りログハウス風。厨房設備を入れ約三五〇万円。

メニューは「お客は待ってくれない。しかも目先の変わった、歩きながら食べられるものに人気がある」としてポテトフライ、チキンバー、チュロスなど一〇アイテムを置く。

また来客年齢層が上がったため、うどん、そばを入れる。効率性追求からいえば、ゆで麺機などの設置は作業面積に少々難はあるが、「日本人は麺が大好き。天気、季節の波が大きいので中止も考えたが、根強い人気があるため、廃止しないでいる」(相羽栄仁マネージャー)という。

このほかカレーライスは意外に不人気で中止、冬にはお汁粉、石焼き芋なども予定している。こうしたメニューができるのも、本店のレストラン「ドルフィン」との連携があるからで、カレールー、麺のつゆはすべてレストランの味だ。

今年からアルコール販売の許可を得て、ビールも置くようになったが、「公園内にあるため、雰囲気を壊したくない」として、アイテム数は増やさない方針。

「ミニショップではあるが機能性ばかりを追求せず夢のある店舗づくりをしたい」とのこだわりを持つ。

■ドルフィンショップ「パート1~3」=東京都品川区勝島三‐二‐一しながわ区民公園水族館、Tel03・3762・2004

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