特集・急増する女性バーテンダー 京王プラザホテル「レッツ」心掛ける話題づくり

1996.12.02 116号 12面

カジュアルバーとして二〇~三〇代のビジネスマンに支持されてきたバー「レッツ」は、最近のカクテルブームで女性客が増加しているのに対応し、女性バーテンダーを起用した。

ホテル内では、日本酒バー「天乃川」、日本料理「みやま」「あしび」で女性利き酒師が活躍している実績もあり、レッツでも「女性バーテンダーの対応により、店内の雰囲気が一段と柔らかくなる」(浜本茂広報支配人)効果を期待し、第一号に鈴木有美子さんをアシスタントキャプテンバーテンダーとして起用した。

抜てきされた鈴木さん、入社以来バーテンダー志望の意思表示をし続け、四六階スカイバー「ポールスター」では、二年間ひたすらカウンター裏のサービスバーで先輩に付き基礎を修得し、その後晴れて客の前でシェーカーを振ることができたという経験を持つ。

「初めてカウンターに立った時、私のような若輩が一~二分シェーカーを振るだけで、一杯一二〇〇円の商品になる現実に驚きました」と語る。

「技術は後から付いてくるもの」というだけに、今ではカクテルを作るだけでなく、一人で気軽に立ち寄った女性、カップル客、男性グループなど客層に合わせた話題作りに心掛ける。

「もともとカジュアルな雰囲気を持つ店ではあったが、女性客が一人でも気軽に立ち寄れる店として評価を受けています」(浜本支配人)と、女性起用の効を説く。

社内では、料飲関係の研修やサービス技能試験を定期的に行ったり、新入社員も目的意識をはっきり持つ人が多いので、第二、第三の鈴木さんが誕生する土壌はあるが、「こうした仕事は人が好きだからこそできる」といえそうだ。

バー「レッツ」は、営業時間午後5時~翌朝2時だが、日祭日の午後3時~5時の間ティータイムを設け、利用者の女性に店を認知させたり、5時~7時の比較的早い時間に「ハッピーアワー」を設け、一杯六〇〇円のビール、カクテルを提供、仕事帰りのビジネスマン、OLに店の味をPRしている。

また、宿泊客への夜食的サービスとして、店内のメニューをつまみ的なものではなく、イタリアレストラン「ロスパチオ」、中国料理「南園」と連動させたレストランの味を提供、幅広い客層と時間・場所の有効利用を図っている。

◆京王プラザホテル/バー「レッツ」(東京都新宿区西新宿二‐二‐一、Tel03・3344・0111)

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