東京で飲める地ビールの店 麦酒倶楽部「ポパイ」、1軒で全国の地ビールハシゴ
JR両国駅から徒歩一分という好立地にある麦酒倶楽部「ポパイ」。同店はいち早く地ビールに注目、樽生地ビールの飲み比べができる都内で唯一の店として訪れるファンでいっぱい。
都内で地ビールを出している料飲店は二〇〇店以上あるといわれるが、そのほとんどは瓶製品扱いが主流。「ポパイ」のように樽生ビールを扱っているところはまだまだで、それもせいぜい一~二種類を扱うのがやっと。地ビールの樽生を扱うにはその取扱いが微妙で、しかも賞味期間が短く、設備(冷却設備、サーバーなど)投資もかかるなどがネックとなっているため。
そういう状況にもかかわらず、なんと樽生地ビールを一〇種類以上も扱っているのが「ポパイ」。
訪れたときはエチゴ、オホーツク、独歩、大阪國乃長、南信州、倭王、湘南、リーデン、薩摩、梅錦などがあったが、設備的には一一種類扱えるようになっており、全国各地の地ビールを飲み比べることができるほとんど唯一のお店だ。
青木辰男店長は、ビールに対しことのほか思い入れが強いが、それというのも自分自身が「ただ酔うためのアルコールは好きではない」から。そのため味わいがあって、しかも低アルコールの飲料に注目、エチゴビールが販売をはじめた去年3月には早くも取扱いをはじめたという“地ビールの先駆け”的な存在となった。
その後、供給が間に合わない時期もあって、一時中止になったが、それも今年に入って解消。この夏はお客が殺到して長蛇の列ができた。
現在はその行列も解消、客数的にも平常に戻ったというが、同地は最近飲食店ラッシュ(席数でほぼ倍)が続いており、その中で客数が落ちていないというのは、地ビール効果もそれなりにあるとみてよい。
青木店長にとっての今後の唯一の課題は「値段をもう少し下げること」。同店での地ビールの提供価格は、大手ビールと比べるとやはり割高。「価格の引き下げはメーカーにお願いしたいが、自分のところでももう少し下げるつもり」と、自助努力でも何とか引き下げを行いたいという。