名古屋版 これからの外食産業 れんが家・今泉取締役が講演

1997.06.16 129号 17面

去る5月14日、サイプレスガーデンホテルで日本外食品卸協会が主催する講演会が開かれた。講師は(株)れんが家取締役の今泉敦子氏で、テーマは「苦労と成功、これからの外食産業」。さてここで、話した内容を紹介すると--。

最初に開いたのは、一三坪、二〇席の小さな焼肉屋でした。サービスで差別化するしかなく、第一に心がけた結果、三年後には一日四、五回転する超満員の店になったんです。

ずいぶん昔のことですが、当時からデータはきちっと出し、毎晩原価率、売上げ動向をグラフ化し、食材分析もやってましたね。次の三〇坪の店に移ってからも順調にいき、従業員三、四人でとても豊かでした。このくらいの規模が生活は一番潤うのでしょうね。

でも私は、次のステップに進むことを選んだ。従業員にとって次の目標を掲げるのは士気を高めることにつながりますから。

最初に開いたのは、一三坪、二〇席の小さな焼肉屋でした。サービスで差別化するしかなく、第一に心がけた結果、三年後には一日四、五回転する超満員の店になったんです。

ずいぶん昔のことですが、当時からデータはきちっと出し、毎晩原価率、売上げ動向をグラフ化し、食材分析もやってましたね。次の三〇坪の店に移ってからも順調にいき、従業員三、四人でとても豊かでした。このくらいの規模が生活は一番潤うのでしょうね。

でも私は、次のステップに進むことを選んだ。従業員にとって次の目標を掲げるのは士気を高めることにつながりますから。

平成2年、七〇坪の敷地に自社ビルを建てました。二年前から考えていたプロジェクトで、女性客にターゲットを絞り和食を導入したんです。会席料理コースに焼肉メニューを入れイメージも変えると、全く想像もしないマーケットが広がりましたね。

今の停滞ムードの中で、ダウンオフのサービスチケットを発行するなんてナンセンス。原価のコストを下げてまずいものを出すよりは、ものの値打ちで勝負したい。頭を使って「企画力」で集客することが必要だと思います。

うちの場合、去年狂牛病で三〇%落ち込んだ時ジャズのコンサートを企画。従業員ともども必死になって一万円チケットを売り満員にしました。士気を盛り立てて、一一%ダウンまでもっていきました。

モットーはというと、まず「好奇心」。あらゆることに関心をもち、マニアックに追求してみること。これ、何かのヒントになります。次に「執着心」。これと思ったらしつこく食らいついて離さない。O157や狂牛病が起ころうが私は絶対やめません。それから「野心」。自分には不可能と思うことでも野望を抱き実現させ、世間をアッといわせることですね。

今注目しているのは、イタめし。焼き肉もそうですが、日本人に合った料理だと思います。これからの時代はホンモノ志向。店舗展開はひかえ、今やっていることをきっちりと見直しながら手堅く行なうことが大切ではないでしょうか。

大阪、帝塚山学院短大英文科を卒業。米国カリフォルニアに三年間留学し、帰国後外資系企業に勤務。一九七八年、金光彩姫氏と共同で「れんが家」を創業する。以来、名古屋、大阪、シドニーに店舗を展開中。国際ゾンタクラブ会員。全国焼肉店経営者協会常務理事。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら