外食の消費者調査(上) 農水省

1992.10.05 13号 17面

農林水産省では、最近の家庭における外食利用実態など外食の動向を把握し、今後の外食産業のあり方を検討する際の資料とするため、平成3年度食料品消費モニター第二回定期調査を実施、この調査概要をこのほどまとめた。

調査方法及びその概要のあらましは次の通り。

《増加傾向の外食 の頻度(回数)》 この一年間に家族で外食した頻度は、「月に一~二回ぐらい」とする人が六三・五%と最も多く、次いで、「二~三ヵ月に一回位」が三二・三%となっている。また、「週に一回以上」とする人も一二・五%あり、前回調査(昭和61年7月)の約二倍となった。

モニターの属性別にみると、外食の頻度の高いのは、年代別では二〇代、三〇代、世帯別では夫婦の世帯でいずれも「月に一回以上」とする人が六割以上にも達しており、「週に一回以上」とする人が二〇代で三一%、夫婦の世帯で二一・二%に及んでいる。一方、頻度の低い「半年に一回以下」とする人は、五〇歳以上、三世代の世帯、常勤でいずれも二割を超えている。全体として前回の調査と比較してみると、外食の頻度は増加傾向を示している。

《一回一人当た りの支出金額》 一回一人当たりの支出金額は「一、〇〇〇~一、五〇〇円未満」が三〇・三%と最も多く、次いで「一、五〇〇円~二、〇〇〇円未満」、「二、〇〇〇円~三、〇〇〇未満」がそれぞれ二〇・一%、一八・二%の順となっているが、三、〇〇〇円以上とする人も一五%近くみられる。これを前回の調査と比較してみると、一、五〇〇円未満で減少し、一、五〇〇円以上で増加している。とくに「一、五〇〇~二、〇〇〇円未満」及び「二、〇〇〇円~三、〇〇〇円未満」おいては、両者合わせ六・三ポイント上昇し、外食の支出金額がより高額になる傾向を示している。

《外食を利用 した食事》 外食を利用することが多い食事は「休日の夕食」とする人が三一・四%で最も多く、次いで、「休日の昼食」二六・二%、「土曜日の夕食」一八・四%、「平日の夕食」一〇・三%の順となっている。休日の昼食、夕食を合わせると五七・六%と過半数の人が休日に最もよく利用している。

年代別では二〇代、三〇代で「休日の昼食」に利用する人が、五〇歳以上では平日の利用者が他の年代に比べ多くなっている。モニターの就業別では、常勤、パート・アルバイトの人は無職の人に比べて、昼食に利用する人は少ないが、夕食に利用する人は多くなっている。これを前回の調査に比較すると、休日の利用(昼食および夕食)が減少し平日の利用が増加傾向にある。

《外食回数の変化》 二~三年前に比べ、この一年間の家族での外食回数は「変わらない」とする人が四七・四%で最も多く、前回調査と大きな変化はみられない。年代別では、「減った」とする人は四〇代が最も多く四一%であるのに対して、「増えた」とする人は二〇代で三一%と最も多く、次いで三〇代で二四・四%になっており、若い年代で増加している。

《外食をする理由》 家族で外食する理由は「買物やレジャーで外出したから」六二%、「家庭でできないもの、おいしいものを食べたいから」四二・七%。「雰囲気を変えるため(楽しむため)」と「家族団らんのため」及び「家族のお祝いごとのため」が三〇%台の理由となっている。

年代別では、二〇代、三〇代では「外食すること自体が楽しいし、好きだから」とする人がそれぞれ四一・四%、三〇・七%と多く、逆に四〇代、五〇歳以上では、「家族のお祝いごとのため」、「来客があったから」とする人が多くなっている。これを前回の調査と比較すると、増えた項目は「食事の仕度ができない(時間がない、病気等)ため」が約二倍。「外食すること自体が楽しいし、好きだから」。減った項目は、「家族団らんのため」等であるが、その他の項目については大きな変化はない。

▼調査時期‐平成3年11月▼調査対象者‐食料品消費モニター一、〇二一名(全国主要都市に在住する主婦)▼調査方法‐質問用紙(アンケート)を郵送し、回答を記入させた上、返送させるいわゆるメール調査▼回収状況‐調査票配布者数一、〇二一名、調査票回収者数一、〇一七名。調査票回収率九九・六%▼集計区分(モニター年代別)‐二〇歳代 五八名(五・七%)。三〇歳代 二三八名(二三・四%)。四〇歳代 三〇七名(三〇・二%)。五〇歳以上 四一四名(四〇・七%)▼この調査での外食の範囲‐食堂、そば、うどん店、レストラン、すし店などの飲食店における食事であり、ハンバーガー店などのファーストフードの店内での食事(持ち帰りを除く)など含む。

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