大規模施設の衛生管理 日本武道館、オープン以来33年間無事故

1997.08.18 133号 15面

(財)日本武道館(東京都千代田区)には年間約三〇〇万人が全国からやってくる。提供する飲食物は弁当とサンドイッチが主で、飲食の稼働率は九〇%である。中には、8月15日の戦没者慰霊祭のように国の行事で、飲食関係を厚生省が一切を取り仕切る催事もあり、重要な催し物が多い。

「食品衛生法に則った運営契約を結び、現在はレストラン部門を東京フジサービスに、飲食を含む物販は雪印アクセスに委託している」(総務部)

東京オリンピックの昭和39年のオープン以来三三年間無事故を保っている。

東京フジサービスからは毎月、調理室衛生点検表(別表)という個人衛生管理、材料の衛生管理、設備の衛生管理の三部門、三四項目からなる月例報告が届けられる。雪印アクセスは弁当・サンドイッチを四社に年間委託してその管理を行っており、随時報告がある。

「専門業者はプロなので、間違いはないし、信頼している。問題なのはゲリラ的に武道館前の沿道に出店する弁当や焼きそば屋」(同)と、頭を痛めている。公道で出店しているので、武道館では規制できない。

また、「個人で、遠路はるばる常温の中を持参する弁当」も危惧する材料である。しかし、いずれも「どこまで干渉できるのか」がネックになって、いまだ呼びかける以外の改善策はない。施設運営する中での今後の課題の一つである。

また、公共的な施設であるため、千代田区麹町保健所、麹町食品衛生協会と協力して8月4~10日まで、武道館内の縦一メートル八〇㎝、横一二メートルの電光掲示板で「食品衛生週間、食中毒!!O157からあなたや家族を守りましょう」という掲示を随時流して来館者に食中毒週間の啓蒙と普及を行っている。

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