これが21世紀の野菜だ にっぽんの植物工場(18)東京ドリーム

1997.08.18 133号 23面

東京近郊小平市に立地する(有)東京ドリームは、周辺が住宅地のため農業ができる環境にない。ただ長年の農業従事者として安全な野菜を供給しようと有機野菜を生産、立地条件を生かしながら直売所や宅配で販売を続けてきている。

そこで今年4月に野菜工場を設立、水耕栽培による生産に踏み切った同工場の浅見三二代表に導入の経緯などについて語ってもらった。

長年農業をやっているが、周囲の状況、人手の問題を考えると将来に不安を感じます。また、有機野菜の安定生産は非常に難しく、品質や生産量が天候や病害虫の発生などに大きく左右され、時には全滅することもあります。

そこでこの4月、植物工場「TSファーム」の導入に当たり、(1)土地の利用効率がこれまでの四〇倍と生産性が高い(2)住宅地のなかで臭気などの環境公害がない(3)無農薬栽培ができる(4)天候などに左右されず安定して栽培できる(5)計画的に作業ができ土曜・日曜が休める――などの利点があることから導入に踏み切りました。

一般的に生産緑地には建物を建設することはできませんが、これからの都市型農業にマッチしていると判断され、市、都の協力を得、また、農水省からも五〇%の補助を受け、平成9年4月から栽培を開始しました。現在、スーパー、業務用を中心に、また直売店では有機野菜とともに販売しています。

価格は少々高めですが、O157問題など消費者の安全性に対する関心も高まり、人気は上々です。一般的に野菜は洗うとビタミンなどが流失するので、洗わないで食べて下さいとPRしていますが、まだ洗って食べる方がほとんどです。

今では安全野菜に対するこだわりにいっそうの自信をもちました。今後も安全野菜の供給のために頑張っていきたいと思っています。

◆(有)東京ドリーム(東京都小平市小川町二-二〇一六-六、電話0423・45・8139、FAX0423・45・8147)建物面積=四九九㎡、栽培室面積=二八五㎡、生産物=サラダ菜、リーフレタス、生産量=四〇万株/年

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