お茶専門店特集 「茶の葉銀座店」シンプルに徹し親近感

1997.10.06 137号 14面

日本茶を中心にした店は少ないが、ここ「茶の葉」は多摩プラーザ店を本店とした日本のお茶の専門喫茶店。支店は現在銀座店のみだが、9月には横浜のみなとみらいに第三号店ができる予定だ。

「多摩プラーザが新興住宅地としてできあがったのは一五年ほど前になります。核家族が中心の住宅地になるので情報発信ができるような場がほしいと、当時の都市計画のなかにあったようです。そこで、じゃあ三〇代、四〇代という忙しい時間のなかで、落ち着いてお茶を飲める場所を提供していこう、ということになって『茶の葉』が生まれました」(銀座店藤井店長)

お茶が先にあったのでなく、情報発信の場所をどのような形で表現できるか、という都市計画からの出発だったようだ。お茶のもつ親近感と刺激の少なさに目をつけ、家にいるようなちょっとしたくつろぎを味わうために客席をカウンター形式にした。そんな姿勢を松屋銀座に気に入られ、第二号を出すことになった。

サンダルに買い物袋で気軽に来る多摩プラーザ店と、ちょっと観劇などに来たときに寄る銀座店……。両方のお店に通う客も多いという。

メニューは単品、セット、コース、季節メニューの四つだけ。シンプルではあるが、お茶は希望があれば、店売もしている二〇から二五種類のなかから選んで飲むこともできる。セットやコースにつく菓子は、素材のよいものをできるだけ手を加えないように出している。お茶に合い、客の舌にあうものを考えた結果だという。

ずっと静岡の茶問屋から仕入れているが、近ごろの傾向として「健康・安全」がよくいわれているため、少しずつではあるが、茶園と契約して自然に近い無農薬のお茶を仕入れるようになった。無農薬の玄米茶はすでに人気になっており、品切れが相次ぐ。体にしみわたるような味がうけている。

◆「茶の葉銀座店」(東京都中央区銀座三-六-一、松屋銀座B1F、電話03・3567・2635)

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