お店招待席:テーマパーク「サンリオピューロランド」 賑わうバイキング料理
オープン八年目に入るサンリオピューロランドは、いまや年間一六〇~一七〇万人の入場者で賑わう全天候型のテーマパーク。館内には直営のレストランが三つあり、食べ放題のバイキング(館のレストラン)、カフェテリア(フードマシンレストラン)、ファストフード(グルメバザール)とタイプ別に集客する。
最もグレードの高い「館のレストラン」は当初フレンチレストランとして出発したものの、一年ほどでバイキング方式に変更。試行錯誤を重ねてここ四~五年で定番メニューを含む現在の形に落ち着いた。メニューは常時一五~一六種用意。人気メニュー以外は半年に一度、例えばイタリアンから中華へとガラリと変えていく。
一番の売り物はシェフが切り分けてサービスするローストビーフ。オーストラリア産の特選チルドロースを使い、ソースもシェフ手作りという本格派。他のメニューも冷凍ものはいっさい使わず、ほとんどが厨房での手作り。
「通常のレストランなら一〇〇人来たうち一〇人の口に合わなくても、それはその店の特色ととらえることもできるが、うちの場合は来た人全員に満足してもらうのが目標。そうでないとテーマパーク自体の印象が悪くなる」(広報部)ことから、内容設定にはおのずと厳しくなる。
新メニューは厨房チーム、レストランスタッフ、さらにトップの吟味を経て、ゴーサインが出る。ただし本物の味を追及するあまり、いわゆる万人受けせずに終わったメニューもあるそうだ。
レストランには一日に一〇〇〇人もの客が入る日もあるが、対応する調理スタッフは五人。フレンチレストラン当時は二〇人を抱えていたが、バイキングに変更とともに少数精鋭化。全員が当時からのメンバーのため朝の仕込みからすべてチームワークでこなす。逆にこのあたりが廉価提供の秘訣ともいう。
ちなみにバイキング価格は大人ひとり二〇〇〇円、子ども(小学生)一〇〇〇円、三歳以上小学生まで八〇〇円。館内パスポート料金<当日券で大人四四〇〇円、中人(一二~一七歳)三七〇〇円、小人(一一歳以下)三三〇〇円、三歳以下は無料>を考慮しての設定だ。
なお、飲み物はソフトドリンクは無料、アルコールは生ビール(ジョッキ六〇〇円、グラス四〇〇円)、ウイスキー(グラス四〇〇円)、ワイン(グラス四〇〇円)。
車での来場も多く、テーマパークという性格から、飲んでも「軽く一杯」程度の客がほとんどでアルコール類の売り上げは全体の一割程度という。
このレストランで開く結婚式や披露宴パーティーも人気で、予約カップルが増加している。料理は同じスタッフが腕をふるうフランス料理のフルコース。予算設定はひとり二~三万円程度。ただ他のお客さんの来店を制限しなければならないため、一日一組の限定としている。
さてもう一店のカフェテリア・レストラン「フードマシンレストラン」はオードブル各種、ハンバーグなどのメーンディッシュ、ピラフ、麺類、いなりずし、サラダ、デザート、ドリンク、スナックなど約四〇種が揃う。
ターンテーブルの上を各皿が回転し、客は好みのものをチョイスする方式で客単価平均は一三〇〇~一五〇〇円。フルコースで選んでしまうと二五〇〇円ぐらいになるので、今後ひと皿あたりの量を少なくし、価格を抑えられるようにする方向という。
ファストフードタイプの「グルメバザール」では、ワッフル(三〇〇円)や焼きそば(四八〇円)などスナックメニューを六〇種用意。客単価は六〇〇~八〇〇円。
なお来客人数の構成比は「館のレストラン」一五%、「フードマシンレストラン」五〇%、「グルメバザール」三五%。収容席数からみてもこの比率でベストとしている。
食べ放題バイキング/大人二〇〇〇円、子供(小学生)一〇〇〇円、三歳以上小学生まで八〇〇円(ソフトドリンク飲み放題)/ バイキングメニュー概要=ローストビーフ、ミートソースのグラタン、海老のチリソース煮、クリームコロッケ、シューマイ、ボイルソーセージ、焼きそば、トリのから揚げ、ブタキャベツ味噌炒め、フレンチフライポテト、ビーフカレー、スクランブルエッグの中華風きのこソース、取合わせ特選サラダなど。
◆人気メニューベスト5
(1)ローストビーフ
(2)海老のチリソース煮
(3)ミートソースのグラタン
(4)焼きそば
(5)クリームコロッケ
「サンリオピューロランド」/所在地=東京都多摩市落合一-三一、電話0423・39・1111/開業=平成2年12月/営業時間=平日午前10時~午後5時(土・日・祝日は午後8時まで)不定休/店舗面積・席数=「館のレストラン」約三五〇坪・二〇〇席、「フードマシンレストラン」約五〇〇坪・四〇〇席、「グルメバザール」約五〇〇坪・四〇〇席/レストラン部門従業員数=「館のレストラン」社員九人、アルバイト約二〇人、「フードマシンレストラン」社員一〇人、アルバイト約五〇人、「グルメバザール」社員一〇人、アルバイト約五〇人/館内来店客数=年間一六〇~一七〇万人/客層=二〇~四〇代の家族連れ、一〇代~二〇代のグループやカップル。また香港、台湾などアジアからの旅行ツアー客も全体の一割を占める。