クローズアップ新素材「トマピー」 ビタミンCはレモンの5倍
新メニュー開発に新素材は欠かせない存在。昨今の健康志向を反映し、野菜への注目度は高まるばかりだ。伝統野菜から施設栽培野菜までさまざまな野菜が出回っているが、今回は、一〇年の歳月をかけ改良の結果、商品化した「トマピー」を紹介しよう。
香りはピーマンだが、真っ赤に熟れたトマトのような新野菜「トマピー」。形は一見してミニカボチャ風に小粒だが、イチゴと同じ甘さを持つ果物的健康野菜。厚い果肉は、栄養豊富でミネラルをバランスよく含み、ビタミンA、B2はトマトやピーマンの五倍、ビタミンCはレモンの五倍だ。
気になる安全性だが、茨城県、千葉県の契約農家が、農薬を使わず有機肥料使用のビニールハウスで栽培したもの。価格は、一㎏(約一〇個)で約一〇〇〇円だが、季節により多少変動がある。
◆問い合わせ先=モンサンミッシェル(株)(横須賀市衣笠栄町二-三三、電話0468・53・7371)
トマピーとモヤシの湯葉巻き揚げ
■材料 トマピー、湯葉、タケノコ、モヤシ
■作り方 トマピー、タケノコを細く切り、軽く塩味をつけ湯葉で巻き焼く、切り分けて彩りよく盛り付ける。
■ワンポイント トマピーの甘みと湯葉のさっぱりしたハーモニーを生かす。湯葉は軽く焼く。
モンゴウイカとトマピーのあっさり和え
■材料 トマピー、モンゴウイカ、ショウガ、ネギ
■作り方 トマピー、イカを塩少々でゆで、氷水につける。ネギ、ショウガを油で炒め、全体を塩、コショウで調える。
■ワンポイント イカとトマピーの食感を残す。
トマピーのすり身詰め
■材料 トマピー、クワイ、キノコ、トウモロコシ、魚(スズキのすり身)
■作り方 材料を細かく刻みボイルし、魚を加え塩、コショウ、酒で味を調えトマピーに詰め鍋で焼く。
■ワンポイント オーブンで焼くと煮汁が出るので要注意。
■陳さんのワンポイントアドバイス 生食に最適。特にタコや酢などとの相性もよく、居酒屋メニューとしても良いと思う。火を通しても変色せず、彩りがきれい。ただ特徴とする糖度の高さが、日持ちに影響するため、軽くボイルして氷水につけて使うと鮮度を保つことができる。ビタミンCはレモンの五個分、ビタミンAとB2はトマトやピーマンの五倍という分析結果を得ている。
一九四六年、中国広東省生まれ。来日約三〇年。先代の「新世界菜館」時代から勤務し、その間、青森グランドホテルに出向したり、香港などで修業を積み、腕を磨く。海の幸の魚介料理を得意とする。暇をみては食べ歩き、特に日本料理からは盛りつけにヒントを得ることが多いという。
◆新世界菜館(東京都千代田区神保町、電話03・3261・4957)