うまいぞ!地の野菜(2)福島県使ってみたい!とっておき野菜

1998.03.02 147号 8面

(1)生産者名(2)所在地(3)電話番号(4)FAX番号(5)代表者名(6)生産品目(7)特徴(8)取引条件(宅配可・不可など)(9)生産者のコメント

●セリ

(1)相馬せり組合(2)福島県相馬市馬場野字岩穴前一九八(3)0244・35・2544(4)0244・35・6422(5)今野利広(6)ほかになし(7)相馬のセリは、市の西北部にある地下水も豊富な椎木集落で栽培されている。冬期間の換金性の高い作目として昭和41年から栽培が始められ、48年以降は、水田転作により栽培面積も四haに増加した。しかし、寒い時期に新鮮なセリを出荷するには豊富な地下水を必要とするため、その後の耕地面積に大きな増加はない。長めの茎で、濃い緑の葉を持つ相馬セリは、10月~翌年3月中旬までが収穫期間。現在七人で、年間一万八〇〇〇ケースを出荷する(8)全量JA出荷。京浜地区、福島県内、北海道などの市場を通して販売中(9)天ぷら、味噌汁などセリ独特の香りと食感を生かしたメニューが楽しめる。

●花ワサビ

(1)伊達みらい農業協同組合月舘営農センター(2)福島県伊達郡月舘町大字布川字新屋敷一八-一(3)024・572・2444(4)024・572・2830(5)月舘営農センター・酒井喜久雄(6)葉ワサビ(7)もともと山間部で自生していたオカワサビを栽培したもの。養蚕の合間に作られていたが、昭和50年ころから本格的に栽培されるようになり、現在の栽培農家は四〇〇戸。栽培は、種によるものは定着しにくく、親株からの株分けがほとんどを占め、また、種によるものは主に加工品に使われている。2月~4月が花ワサビ、そのほか8月以外の通年葉ワサビを収穫し、収穫量は年間六五t。フレッシュの需要は春と秋、冬が高く、夏は落ち気味。今後、夏場での品質保持に期待がかけられている(8)東北、京浜地区の市場が中心。2月~4月は、一部宅配を行う(9)無農薬・有機栽培のフレッシュ花ワサビは、加工品と違ったさわやかな辛みを持ち、サラダ、おひたし、和え物、薬味とさまざまにメニューアレンジできる。通年供給も魅力。

●舘岩赤かぶ

(1)舘岩赤かぶ生産組合(2)福島県南会津群舘岩村福度三四二(3)0241・78・2124(4)0241・78・3103(5)大山義幸(6)ほかになし(7)平安時代に源平合戦の火ぶたを切った宇治の戦いで破れ、都落ちした以仁王(もちひとおう)が潜行の際、手厚くもてなす村人への感謝のしるしに種を置いていったのが、赤かぶの始まりと伝えられている。以後、昔ながらの栽培方法を受け継ぎ、お盆のころ種をまき、収穫は晩秋。他種と交雑しないよう最新の注意を払い、赤紫色で長首の独特の形を保っている。霜が降るたびに滋味が増し、貯蔵食としては、一週間ほど塩漬けした後、酢漬けにすると白身が赤く染まり、郷土色豊かな味わいとなる(8)関東圏を中心に宅配を実施している(9)赤かぶは、化学肥料や農薬を嫌い、素朴な大地を好む野趣あふれた野菜。郷土色豊かな味わいを味わって欲しい。

●タラの芽

(1)JA川俣飯野山菜部会(2)福島県伊達郡川俣町大字鶴沢字鶴東二四(3)024・565・3211(4)024・565・4142(5)渡辺健介部会長(6)主にタラの芽(7)木の芽は冬の厳しい風雪に耐えて出てくる生長点であり、ビタミン、ミネラルを多く含み、栄養価が極めて高い。独特のほろ苦さを持つ味から人気は高いが、天然物は乱獲で入手は困難。部会では、促成栽培により、春の香りをいち早く、安定的に供給している(8)主に首都圏の市場。宅配は基本的に行わない(9)当地は山間傾斜地が多く、かつては養蚕の一大産地であったが、現在は、条件を生かしながらタラの芽栽培に切り替えている。健康志向から自然食品に対する期待は間違いなく高まっている。今後もタラの芽を中心に山菜類の生産拡大に努めたい。

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