業界ルーキー(16) 「開楽」若松堅二さん

1998.10.19 164号 11面

現代っ子風なかっこよさがある二〇歳。厳しい厨房に入ったのは、「自分が普通のサラリーマンになるというのは想像もつかなかった」から。

両親が秦野で中華料理店を営み、自分も小さいころから料理することが自然と好きになっていた。両親の跡を継ぐことはまだ考えていない。今は、開楽の仕事を覚えることに没頭している。

朝は8時に出社、夜は10時過ぎに終わる。仕事は野菜切りが担当だが、ほかにも仕込み、掃除、まかない食づくりと、こなすことは多い。

「本当はもっと遅くに出てきてもいいし、夜も早く切り上げていい、と先輩はいってくれますが、早く仕事を覚えたいので」とグチはこぼさない。

休みの日は、服を買いに東京などへ出るという。女の子をナンパしているの? という意地悪な質問をしてみても、笑顔で返してくれた。

「女の子にもてたい、これは料理人にとって腕が上達する最短距離ですよ」という調理長の言葉にうなずいていた。

要領を覚えて、つい作業を簡素化してしまうことがある。「基本に忠実に、同じ間違いをしないように心がけています」と今の課題を語ってくれた。

◆「開楽」=神奈川県厚木市酒井三一七七、Tel0462・28・1177

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