企業直営(FC)を拝見 明治製菓「くいもの市場」 店員のアイデアが若者に人気
明治製菓㈱(東京都中央区京橋、03・3273・3496)は、外食事業部が中心となって、明治製菓リテイル㈱本社、メイカ食産㈱本社、明治フードサービス㈱本社、明治シーアールシー㈱本社、㈱シェレマー明治などの関連の外食事業を別法人として傘下に収めて店舗運営を行っている。
各社の業態は、会社別にわかれているというのでなく、和食部門では、各社共通に店舗をもっている。
主な店舗を見ると明治製菓リテイル㈱は、「くいもの市場」の店舗展開している。すでに十一店舗あり、和食風エスニック料理という感じで、客単価も三〇〇〇円~五〇〇〇円中心で若者のグループに人気がある。同店は、各地の立地事情に合せて、若い店員がいろいろとパホーマンスを展開して、宣伝効果をあげている。
例えば、池袋のサンシャイン通りにオープンした、「くいもの市場」の場合は、女子大生の「ちんどん屋娘」、彼女の、大学の卒論が「ちんどん屋の世界」というテーマで体験入社した経歴の持ち主である。これを生かして、店先で、「ちんどん屋」で客寄せ、これが大人気で店は客で一杯になったというケースもある。
外食店舗のこれからの時代は、店舗をもうけて、ただ客を待つだけでなく、いかに、積極的に外に出て、客を呼び寄せるかがこれからは勝負という。この意味では、「くいもの市場」は、店のスタッフの積極的なアイデアを活用、活気ある店になっている。明治製菓は、昭和の初期に、菓子の販店からスタート、そして、ケーキーなどを出す軽喫茶という形で外食事業に参入していった。
同社は、菓子というイメージから、喫茶店などに力を入れるのではないかと考えられるが、主力は、本格的な和食店、居酒屋で、企業イメージからはちょっと離れた業態で行っている。
この点は、同社では「外食事業は、本質的には、本体の企業と関連してやるものではないと考えている。あくまでも、外食事業を成功させるためには、本体の企業イメージを忘れ、消費者のニーズをしっかりつかむということが大事である」と語っている。
メイカ食産で展開している「小鉢百菜」は、少々、高級感のある和食店となっている。同社では、和食は、日本人の心であるという。最近の和食ブームといわれているが、同社は、ブームではないという。潜在的に常に、日本人は和食を志向しているという。
そこで、雰囲気、割安感があれば、当然、その店は、人気になるという。「百菜」はそのような店舗展開をしていきたいという。
その和食の延長上に、うなぎ料理「鰻倉」をオープンさせている。現在は、東京駅と銀座の二店舗であるが、やはり日本人は、うなぎが好きである。
しかも、中高年層の高い支持率をもっているので、シルバー社会になるといわれる時代に、「鰻倉」のチェーン展開は、やはり時代が要求している店舗とみている。
明治製菓の場合、外食専門の関連会社を、五社もっているが、それを統合せず、やっているのは、社員の時間帯、仕入先の違いなどがあり、むしろ、資本が別という方が合理的であるという。しかも、それぞれが刺激しあっているというのも好結果を出している。