看板と屋号(11)「天丼いもや」

1999.03.15 174号 11面

神田神保町にある「天丼いもや」は、ボリュームたっぷりのうまい天丼が食べられることで人気の店。

「この店は、二七年前に定食やカツ丼の店の『いもや』さんからのれん分けしていただいたんですよ」と、店長の須賀さんが話を聞かせてくれた。

そもそも、いもやとは、現在の(株)いもやの社長が、「気取りのない名前がいい。茨城出身のイモ野郎が作った店だから」と命名。天丼屋、カツ丼屋など神保町に七店舗展開している。須賀さんは三年ほどいもやで修業を積み、店を持たせてもらえた。

「天丼屋というと、天一とか天二とか『天○』というのが多くて、紛らわしいですよね。だからうちは、気取らずに『天丼いもや』に決めました」

一日三四〇食も出るという天丼は、エビ、イカ、キス、ノリ、野菜の五種類の具がのってたったの五〇〇円。並んでいる間に注文を取るので席に着くと同時に食べることができる。そして揚げ物を扱う店なのに非常に清潔で、換気口は開店当初から使っているとは思えないほどピカピカ。

「『安くて早くておいしくて、きれいな店』という、いもやの理念を私も守り続けています」

◆「天丼いもや」=東京都千代田区神田神保町一‐二二、Tel03・3293・0366、営業時間午前11時~午後8時(木~午後4時)、日・祝休み

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