うまいぞ!地の野菜(15)愛知県ミニ情報「五平餅」

1999.04.05 175号 14面

愛知には豆味噌を主流とした独特の味噌文化をもつ。各地域でさまざまな味噌利用法があるが、奥三河の名物料理として知られるのが五平餅。

もともとアワやヒエが主食だった山里の行事食であった。毎年旧暦の2月7日と10月7日になると、村をあげて山の神に豊穣を感謝する祭りがおこなわれていた。

この山の講に供えられたのが五平餅。貴重なコメを蒸し、御幣(神祭用具に一つ。紙または布を切り、細長い木に挟んでたらしたもの)の形に整え、木の棒につけ供えたという。

現在はうるち米を使い、杉のヘラに小判型に押し固め、味噌だれをつけて炭火で焼く。

味噌だれは味噌をベースに、すりごまやクルミなどを混ぜ合わせた自家製。杉の香りと焼き味噌の香ばしさは、この地を訪れる旅人にも郷愁を感じさせる味として親しまれている。

(問い合わせ=(社)愛知県観光協会、Tel052・581・5788)

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