看板と屋号(15)イザベラ・ディ・フェラーラ

1999.07.05 181号 23面

「当店の谷本シェフが、イタリアの『ドゥケッサ・イザベラ』というホテルのシェフと付き合いがあり、レストランをオープンする際には、名前を使ってもよいと言われていたそうです」

こう説明してくれたのは「イザベラ・ディ・フェラーラ」店長の岡本さん。

「しかし、そのままの名前にしてしまうのではなく、北イタリア料理の店なので、北イタリアの古都である『フェラーラ』という地名を組み合わせました」

「イザベラ」とは、ルネサンス時代、数多くの芸術家のパトロンであったというイザベラ・デステのことで、イタリアでは現在でも尊敬されている貴婦人だという。看板に使われている女性の絵が、イザベラだ。

「店名がお客さまとのコミュニケーションのきっかけとなることも多いので、そういった意味でも、とてもいい名前だと思います」

谷本シェフの作る料理は、ルネサンス時代の文献からレシピを再現したもので、エミリオ・ロマーニャ地方の郷土料理がメーン。本格的なイタリア料理を楽しむために、幅広い年齢層の客が訪れ、接待に使われることも多いそうだ。

◆「イザベラ・ディ・フェラーラ」=東京都千代田区神田小川町二‐八、三井海上小川町ビル、Tel03・3259・9933、営業時間午前11時~午後2時、5時~10時(9時30分ラストオーダー)、日曜・祭日休業

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