飲食店の血液型対応学(8)B型

1999.08.02 183号 5面

血液型で、一番行動的なのがB型である。時として自由奔放、天衣無縫、物事にこだわらず、いつも自由なスタンスで、いつもマイペースなのがB型である。

B型にはエピソードが多い。「縛られることがきらい、行動が早い、アイデアに富む、そそっかしい、人情家で感情の起伏に富む、食道楽」。これはB型の大女優、高峰美枝子さんのその人となりを表した言葉である。

世知辛い世の中で、B型のような「おっちょこちょい」「自由かっ達」「アイデアマン」というユニークな存在自体、実に愛すべきことなのであるが、ある場面でその行動があまりにも普通と違っているために、「ちょっと変わっている」と思われて、周りからどうしても浮いてしまう。

それもこれも、わが日本という狭いコミュニティー内でのことである。何故ならわが国民の四〇%はA型だからである。ちなみにB型は二〇%とA型の半分しかいない。何度も書いてきたが、A型は常識的で我慢強くコツコツ努力し、派手なことをきらい、地味で粘り強く努力することを美徳と考えるのである。

悪く言えば、ちまちました世知辛い世の中を作っているのはA型である。建て前や手続きが大好きなので官僚制度が定着し、努力して良い学校に入った人間が「偉い」と思うから、学歴社会が形成される。ところが、B型はそんなことは歯牙にもかけずに自由に飛び回る。A型とB型は、まさに正反対な性格・行動パターンである。

だからしばしば、A型とB型とは相入れない。このA型とB型とがけんかをすると、これは収拾がつかない泥沼状態に陥る。

最近の好例が、「サッチー騒動」である。TVのワイドショーで、毎日なんだかんだと騒々しく騒いでいるあのサッチー騒動には、血液型同士の対決が裏に隠されている。生まじめなA型と、自由奔放なB型(サッチー)の大げんかなのである。

話題に出てくる女優や芸能人のほとんどはA型である。その人たちが叫ぶ言葉が、「他人の迷惑は平気!」「ワガママ勝手!」「細かいルール無視!」「約束を平気で破る!」と。

これは、典型的なB型の行動パターンである。そして視聴者の四〇%がA型である。だからサッチーB型攻撃は、A型視聴者の“大きな共感”を呼び視聴率はうなぎ上りとなる。

A型は、B型の自由奔放さが図々しいと我慢ならない。初めは、自分の思いつかないことを考え、かたちにとらわれない行動力が魅力的に映るが、だんだんその図々しさと無節操さに腹が立ってくる。

一方B型は、A型のネチネチした情動的な面をうるさいと感じ蔑(さげす)んだりするから、いつまでたってもこのサッチー騒動は収拾が付かない。

ちなみに、「下らないな」とこの場面を冷ややかに見ているのがO型とAB型である。いやむしろ、O型はB型に多少同情的である。だから本格的にO型の大物芸能人が仲裁に入れば、このけんかはスンナリと収まるのではないだろうか?(A型は意外なことに、O型を尊敬する傾向が強い)。

さて歴史上の超有名人に、典型的なB型がいる。モンゴルの英雄、チンギスハーン(成吉思汗)である。チンギスハーンが活躍した一二世紀に、血液型を判定する手段があったわけではない。だからこれは推測にすぎない。がしかし、モンゴル人のほとんどがB型であるところから考えると間違いないことである。

チンギスハーンは、当時の地球の陸地三分の一という巨大な地域を征服している。強靱な軍隊(騎馬軍団)を率いて、ヨーロッパから中近東、中国そしてソビエトにまたがる強大な帝国を築いた。しかし、歴史的な痕跡はほとんどない。征服した地域の統治もほとんど行っていない。

チンギスハーンはB型である。アイデアマンだからすごい武器を発明する。その国が欲しいと夢中になったら、どんなことがあっても攻め続ける。そして、天衣無縫、破れかぶれが勇気を生み難攻不落の砦をも征服してしまう。

しかし、征服したからとチマチマ政治を行うことに何の関心もない。強大な城づくりにも、細かいルールや法律にも、何の関心もない。一生、移動テント「パオ」で生活し続けたのである。

ただアジアという大舞台で、自由に思いっきり暴れまわり、敗北の民がひれ伏す姿を見て満足感を味わいたかったのである。まさに典型的なB型の行動パターンである。

連載六回目で、B型の特徴を次のように示した。

(1)趣味や関心のあることには、脇目もふらずまっしぐらに突き進む。

(2)生きがいに没頭するが、他人の迷惑や利害関係、社会的な野心などには無関心。

(3)形式や慣習に縛られず、マイペースで自由な生き方を志向する。

(4)好奇心は強いが、判断・理解・あきらめるのも早く、気分屋で、涙もろい。

(5)初対面は無愛想でざっくばらんだが、だれにでも心を開き皆から好かれる。

(6)孤独をものともせず、独りでたくましく生き変化にも即対応する。

(7)ケジメに無とん着で、周囲に無関心、故に公私混同も平気で行う。

B型は、建て前や管理を嫌う。チマチマ自分で管理するより、むしろ部下に全部任せちゃう方がうまく行くと思うのである。だからB型の上司、特に店長のもとについたら相当の覚悟が必要だ。何しろ、仕事は“マル投げ”されることを覚悟すべきだ。

だがコツさえつかめば、その方が非常にやりやすいのである。B型店長には、以下の手で対応したい。

(1)「私に任せて下さい!」と常に言い続けると、絶大な信用を得られる。

(2)どんどん自分で仕事を見つけ、結果だけ報告しても結果が良ければ大いに喜んでくれる。

(3)「店長は遊んでいて下さい」と耳打ちすると、B型店長は非常に喜ぶ。

(4)臨機応変、応用をきかせて上手にトラブル処理すると非常に誉められる。

(5)とんでもないアイデアを要求されるから、いつも新鮮なネタを仕込んでおくこと。

(6)自分なりの結論を持っていないと、無能呼ばわりされるから注意。

(7)過ぎ去ったことは完全に忘れ、店長の前では二度と口に出さない。

(8)昨日会議で決まったことを、今日はすっかり忘れているから注意が必要。

現代は、息が詰まるような「管理社会化」が進んでいる。ユニークで自由な発想のB型は、そんな世の中で一服の清涼剤のようである。「変だ!変わってる!」と言わず、幅広い気持ちでB型を受け入れられる、そんな世の中をつくり上げたいものである。

(血液型対応学研究所・エービー海老尾)

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