名古屋版・繁盛店ルポ:新羅館・名東極楽店、飛騨牛と洋風ムード

1999.09.20 187号 11面

静かな住宅地の中に、その先進的な外観がひときわ目をひく客席数三〇〇席の大型焼肉店「新羅館」。前面に噴水のあるガーデンテラスを設けるなど、まるで映画のセットを思わせるドラマチックな雰囲気だ。

オープンしたのが平成元年。三年前には一宮市に二号店を開く順調ぶり。「新羅館のグレードの高い飛騨亜和牛とマニュアルではないサービスで値打ち感を感じてもらえたら」と話す高木誠司店長、名古屋を中心とした低価格チェーン優勢気味の焼き肉戦争には「攻めてゆくだけ」と自信をのぞかせる。

店内は時と用途に合わせて多種多様に対応できる構成。カップルのための席、ファミリー用、宴会用ときめ細かく演出をこらしている。

特に、ガーデンテラスでは夜にたいまつをともし雰囲気満点、デートスポットとして人気も高い。

料理を担当するのはベテラン韓国人の料理人。韓国メニューの掘り起こしをしながら日本人に合わせたメニューづくりをすることで定評がある。

紹介すると、一一年前からすでに手掛けていた石焼ビビンバ(九八〇円)。最近キムチビビンバ、薬膳ビビンバなどバリエーションも広がりつつある。また冷麺はやはり日本人のし好に合わせて、麺を細くしてしかもコシがある麺を粉から手打ちで練り上げる徹底ぶり。スープまですべて飲んでもらえるよう仕上げている。

ほかに、生きたワタリガニをからし味噌でじっくりつけ込み、しゃぶりながら食べる「ケジャン」(一五〇〇円)、黒豚バラ肉の包み焼「サムギョプサル」(八五〇円)がある。

「チシャバの上にごまの葉を敷き肉を巻いて食べるのは韓国での食べ方。これから日本でも定着してゆくだろう」(高木誠司店長)。したがって「チシャバには特に気を使い、少しでも良質でしかもコスト高にならないものを探した」と、こだわりを見せる。

平均客単価は三六〇〇円、月商三〇〇〇万円。状況を見ながら店舗展開していく計画もある。

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