名古屋版:繁盛店ルポ=「ノンナカコーレ」イタリア風随所に

1999.12.20 194号 15面

東海市を中心に焼き肉店を現在四店舗展開している(株)久鐡。今年8月、自信のある焼き肉業態に加えて、イタリア料理店の「ノンナカコーレ」をオープンさせた。

場所はちょうど三都市(知多市、大府市、東海市)の分岐点にあたる場所に位置する。繁華街から少し外れた場所で街道に面している以外は近くにラーメン屋、ステーキハウスがあるだけの物寂しい場所だ。

この地域の交通手段はほとんどが車。ドライブがてらこの店を発見したという客も多いようだ。というのも、店自体がイタリアを再現しているような建物で、だれもが目を奪われる造りだからだ。

広い敷地面積(四五二平方メートル)の中には温かみのあるれんが造りの建物がそびえ立ち、その周辺にはハーブを栽培するなど緑豊かな庭が造られている。

しかし、焼き肉店を拡大している同社が、なぜイタリア料理店だったのか、興味をそそられるが、経営の背景は意外とシンプルである。

マネジャーの橘さんによると、「韓国料理と縁のある薬膳料理に加古社長夫人が興味を持たれていて、健康によいものを提供したいという考えがあったようです。そこで、野菜を自家栽培し、素材の味を生かした料理を提供するプランが上がりました。イタリア料理店は当時、ニーズが高まっていたこともありますが、その計画にピッタリだったんです」

橘さんはフランス料理のシェフとして一流ホテル、日本大使館を経てイタリアへ渡り修業。手腕を買われノンナカコーレへ。

「今まで焼き肉店が中心でしたのでここで新しい風を取り入れたいという意向もあったようです」

構想は約二年間あったというが時代の流れに合った選択がどうやらイタリア料理店出店に結びついたようだ。

ノンナカコーレのコンセプトは“日本人からみたイタリア料理店”。日本の中でイタリアをそっくりまねて作るのではなく、イタリアの気風をカジュアルに楽しんでもらいたいという気持ちから、メニューをすべて日本語に解釈して作成するなど、すべてを日本人向けにアレンジしている。

また、健康によいものを提供できるようにと素材にもこだわり、料理に使う野菜からデザートの果物に至るまでの多くを自家栽培(野菜、果物、ハーブ)でまかなっている。

「近くに農園を持っていて多くをそこから収穫しているんですよ」(橘マネジャー)

収穫したばかりの新鮮な野菜を使った料理や、イチジク、カキなど「果物の手づくりジェラード」(盛り合わせで四二〇円)は、素材の味が引き立っていると評判。ほかにもハーブを使用したピザ「プロシュート」(一三八〇円)や「ペスカトーレ」(一三八〇円)は人気だとか。

また、ワイン(グラスワイン二五〇円)やビール(グラスビール二八〇円)は、食事と一緒に気軽に楽しんでもらおうとかなりリーズナブルに提供している。客単価は昼約一〇〇〇円、夜一五〇〇円。

オープンして約三ヵ月「今はリサーチ期間ともいえるので今後何かにつけてかなり改正していきます」という橘さんだが、この間に、もはや平均月商二五〇〇万円(客席数一三〇席)を売上げる繁盛店となっている。

成功している要因は何なのだろうか? 駐車場の広さ(五三台収容)、店内が開放的でゆとりがあること、これらは条件的に当てはまる。しかし、橘さんが最も心がけていることがある。それは「非日常的空間」を作り出すことである。

そして、そのためにこだわるのは「演出」だという。例えば、客の目の前でのパフォーマンス。肉をすばやく切り分け美しく盛り付けたり、「ベイクドアラスカ」(アイスクリームを炎で焼く)では、デザートに華を添える。

「見ての楽しさは、今後もどんどんやっていくつもりです。そのほかにカンツォーネ(生演奏)もやっていますし」

原価率は約二五%。「料金はできるだけお客さまに還元したい」という橘さん。今後はリピーターをどれだけ増やすかを課題にし、より一層の拡大を目指す。

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