看板と屋号(20)らぁめん妻有

2000.04.03 201号 23面

オープンして丸三年、奇をてらわず鶏がらベースのスープの味にこだわり、着々と常連客を増やしている「らぁめん妻有(つまり)」。リピーターが多いことに関して「一度食べたお客さんは、また来てくれるという自信がなけりゃ商売できないよ」と、この道二〇年のご主人山本惣一さん。

「仕事を始めた時から、独立したらこの屋号と決めていた」という「妻有」とは、山本さんの生まれ故郷の土地の名。日本でも有数の豪雪地帯新潟県魚沼にあり「とどのつまり、どんづまりと同じ意味で当て字らしいよ」と教えてくれた。「最後に行き着くところ」の意味をもつ店名に、山本さんの故郷への思いと同時に味への自信がうかがえる。

「お客がなじんでくれる店を心がけている」という店内は、客との会話を大切にするアットホームな雰囲気。

「開店以来、毎日来るお客もいれば、月に一度のお客もいる。自分もマイペース、お客もマイペース」と山本さん。

二〇席ほどの店内をご夫婦で切り盛りしている。

「店名に奥さんへの心遣い? ないない」と、ご夫婦ともに首を横に振るが、訪れる人は何かしら温かいものを感じずにはいられない。

◆「らぁめん妻有」=埼玉県川越市脇田町一〇三、川越マイン3F、0492・23・8599、営業時間午前11時~午後10時(ラストオーダー9時半)

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