全国中華ランチ繁盛店特集:高松「桃花苑」

2000.06.19 206号 11面

高松のメーンストリート、中央通り沿いにあるリーガホテルゼスト高松。中国料理「桃花苑」はそのダイニングのひとつだが、ホテルとは入り口を異にする別館なので、ホテル宿泊者以外の一般客が多く利用する。ビジネス街という立地からサラリーマンやOLが多い。本格的なホテルの中華がリーズナブルな値段で楽しめるうえに、ボリュームのあるランチは人気がある。

ランチは週替わりで四コースが用意されており、(1)(2)コースは一二〇〇円、A・Bコースは九八〇円。

(1)コースはメーンディッシュに副菜、サラダ、スープ、ライス、漬け物、杏仁豆腐、それにまたはコーヒーがつく。

A・Bコースは副菜とサラダがつかないが、それでも男性客が十分に満足できるボリュームだ。Aコースは七〇〇に抑えたヘルシーメニュー。

この価格で質の良いランチを提供する秘けつを、渡辺料理長はこう語る。

「とにかく旬のおいしい材料を大量に仕入れること。形より味を重視して、素材の形が残らない調理方法を選ぶこと。あとは仕入先の業者さんとの真剣勝負ですね。夜のメニューよりランチの味が落ちることは絶対にありません」

ランチの工夫は質、量だけではない。ホテルの各ダイニングの月ごとのランチメニューが一目でわかるパンフレットが用意されている。客は自分の好みに合わせてランチスケジュールを立てられるというわけだ。

「月ごとのメニューパンフレットは大変好評で、レジに置いて、自由に取ってもらえるようにしているんですが、ほとんどのお客様が持って帰って下さいます」と渡辺料理長。

具体的なメニューの提示は、毎日のランチに頭を悩ませるビジネスマンにとっても有益な情報ということだろう。

秋からはお弁当タイプの中華ランチも検討中だとか。少量ずつたくさんのメニューが楽しめる女性向きの企画は、主婦、OLがターゲット。夜の営業も二ヵ月ごとにキャンペーンを変える。現在はビアガーデンに対抗すべく飲茶フェアを実施中。ホテルのダイニングであることに安穏としていない。「うまい」と評判の店は常に積極的なのである。

◆「桃花苑」(香川県高松市古新町九‐一、087・822・6556)料理長=渡辺寛人/営業時間=午前11時~午後2時(ランチタイム)/席数=八〇席/客単価=昼一〇〇〇~一二〇〇円・夜三五〇〇~~四〇〇〇円/平均客数=月三〇〇〇人

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