全国中華ランチ繁盛店特集:広島「東泉」

2000.06.19 206号 19面

「東泉」のサービスランチは、料理四品とスープ、ライス、季節のフルーツが付いて七五〇円。平日の午前11時から一五食限定で出している。料理は日替わりで、唐揚げ、ニラ玉甘酢あんかけ、麻婆豆腐、えびの天ぷらなど、バラエティー感と季節感が出るように気を使っている。栄養のバランスがとれていることと、唐辛子などの刺激を抑えたマイルドな味付けが、女性や子供に好評だ。男性にはボリューム感がうけている。

東泉は、昭和62年、広島市の市街地から離れた南区の住宅街にオープンした。自動車メーカーのマツダ本社と日本製鋼という大手企業が近いこともあり、周りにはその下請け会社が多い。ランチタイムの客層のメーンはそこへ仕事に来る営業マンや、近所の主婦だ。

おすすめメニューは、地元テレビ局の視聴者アンケートで一位になった「冷やし中華」(八〇〇円)と、ラーメンにハーフサイズのチャーハンがついた「ハーフセット」(八〇〇円)。ほかにも手作りにこだわった、アイデアメニューが多い。

広島で一番大きな肉まんをと考えて作った二〇〇gのボリュームたっぷりな「手作り肉まん」(二五〇円)。広島名物のカキと広島菜を入れ、人気の冷やし中華のスープをベースに、あたたかいピリ辛味に仕上げた「ひろしまっこ麺」(九〇〇円)などなど。

店長は広島の台湾料理の老舗で修業した後、独立という確かな腕の持ち主。それがなぜユニークなアイデアメニューの発掘に力をいれているのかというと、ひとつは先に挙げた店の立地条件にある。

どうしても地元からの客だけでは売上げに限界がある。バスや電車に乗ってまで来てもらうためにはよそにはない目玉商品が必要だ。そのPRとして地元マスコミへの売り込みも欠かさない。

それは「一度来てもらって他のメニューを食べてもらえれば、次も必ず来てくれる」という料理に対する自信の裏返しでもあるのだ。

今後は、農家と提携して体に良い野菜を栽培してもらい、健康志向のアイデアメニューを取り入れたいと考えている。

◆中国料理「東泉」(広島市南区堀越二‐四‐八、かどやビル一階、082・286・1655)店長=正藤陽治/営業時間=午前11時~午後2時30分、5時~10時(土日祝は午前11時~午後10時)、月曜定休/坪数・席数=三八坪・五〇席

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