オール電化厨房特集:電化厨房の導入例=「洋食工房」

2001.07.02 231号 19面

広島県は賀茂郡黒瀬町。人口二万四〇〇〇人の田園地帯に五〇坪四六席・平均月商一〇〇〇万円強の超繁盛店がある。三年前にオープンした「洋食工房」である。電化厨房と新調理システムの導入で実現した、高品質なメニュー提供と洗練された接客が大評判で、ファン層は拡大の一途だ。

同店は一般的洋食メニューをフルコース&フルサービスで提供するカジュアルレストラン。昼一二〇〇円、夜一八〇〇円の客単価は地域トップクラスだが、迅速な手作りメニューの提供と丁寧な接客を目当てとする客は後を絶たず、約五〇キロメートル離れた広島市街からの常連客も多いという。

繁盛のポイントは、新調理システムの導入にある。調理工程の半分以上を新調理システムにすることで、効率的な仕込みスケジュールを作成。調理場は少数三人で対応し、オーダーピークにも手早く対応。その省力化で捻出した余力(コスト)をホールの戦力(人件費)に還元することで、行き届いたサービスを実現している。ホールスタッフは、社員を主力にピーク時四人の充実ぶりで、ゆとりある接客サービスが常連客獲得の原動力と化している。

この新調理システムと接客サービスを支えているのが電化厨房だ。

「加熱量を正確に管理できる電化厨房は、ムラのない調理を可能とし、熟練技術を必要とする料理もマニュアル化して、若手に安心して任せられます」「同時に厨房作業のスケジュール化も図れ、作業は楽ですが、残業は多少あります。どうしても…。熱い作業環境からも解放され、水を扱うケースも激減しますから、衛生管理もとても楽です」と島谷友晴店主は語る。

「電化厨房と新調理システムはコストダウンが目的ではありません。数値管理を明確にし、高品質提供を標準化し、余力を付加価値サービスに充てるための手段です」という。

現在、島谷店主は、同店の成功を元に電化厨房推進のコンサルタントとして、各地で活躍している。

◆「洋食工房」=広島県賀茂郡黒瀬町兼広五三三‐二九、0823・83・1575

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