松江市の古くからの京店商店街に「月ヶ瀬」がある。五十数年続く老舗の甘味処。そこで最近、人気を集めているのが、「松江あごだしラーメン」を中心にしたセットメニューだ。

このラーメン、スープは山陰を代表するアゴ（飛魚）の焼き干しと昆布・野菜で丁寧にだしをとり、鶏がらスープと合わせ、最後にカツオのうまみを加えたもので、だしのうまみを生かすため薄めに醤油で仕上げてある。

麺は、熊本製粉（株）の国産小麦を使った自家製玉子麺。モヤシは根切りもやし、チャーシューは、脂身と肉のバランスが良い肩ロースを使用している。

甘味処なのに、これほどの本格的ラーメンが味わえるのは、二〇年来続く姉妹店、ラーメン「てまり」のノウハウがあるため。

このラーメンとのセットで人気なのが、みたらし団子、ぜんざい、あんみつなど。夏場に大人気なのは、松江あごだしラーメン、ごぼうサラダ、白玉入りあんみつがセットの「あんみつセット」（八五〇

円）だ。

あんみつには、日本海の荒波にもまれた、磯の香り高い天草を使用。あんは備中岡山産の大納言を使用。専門店の本格的な味が楽しめる。

昼時ともなると、女性グループで三四席がすぐに満席になる。週末は、堀川遊覧船乗り場の近隣ということもあり観光客でにぎわい、このセットメニューが人気の柱となっている。

川島社長は「都会でも御当地ラーメンが売れる時代。あっさりおいしく安全な、松江あごだしラーメンを売り出したい」と、現在、東京出店への協力者を捜している。

◆「松江月ヶ瀬」（島根県松江市末次本町八七、０８５２・２１・２４９７）営業時間=午前１０時～午後７時