ヘルシーフレンチ店舗紹介:レストランシップ「ヴァンテアン」
「支配人が糖尿病のためカロリーを気にしながら試食会に臨んでいる姿を見て、心おきなく食べられるコース料理を考えてみよう。またこうした要望をもつお客が確実に増えていくだろうとの発想からスタートさせた」と語る上司思いの志村浩二料理長。
「右手にバター、左手に生クリームでやってきたのがフランス料理」という同シェフ。
低カロリーで提供するメニューをどう構成するかに思い悩んでいたとき、社内から大島の椿オイルの紹介があった。
試食の結果「風味よく、味はさっぱりとおいしい」との評を得、また、オリーブオイルよりオレイン酸を多く含む天然植物油であることから、バターを全面的に椿油に切り替えることでスタートする。
まずは他店の実情をと帝国ホテルに行ったが、「いわゆる治療食、病人食のイメージが強く失望。うちはおいしくを前提に、カロリーは後からつけよう」となった。
シェフは料理についてはプロであるが、栄養学的には素人に近い。そこで栄養専門家の荒牧麻子氏に指導を請い、試行錯誤でメニュー作成に取りかかり、実質スタートは昨年の10月から。
低カロリーメニューの決め手は素材の扱い方とソースという。
カロリーが気になる肉については、真空蒸し焼きにすることでカロリーを落としながらもしっかり味を付ける。
用途で使い分けるオリジナルソースは、肉用に名古屋味噌、赤ワイン、ブルーベリージュース、塩(伊豆大島近海の自然海塩)を使ったシェフオリジナルのソース。
また魚に欠かせないのが、カロチーノオイル、セミドライトマト、レモン、塩を使ったパームフルーツオイルソースがある。
このほか口外したくないという自慢の特製岩海苔ソースがある。磯の香りたっぷりの浜名湖産生海苔ペーストにビネガーとレモンを合わせたものだが、目鯛や舌平目の湯葉包み焼きにピッタリ。
なんとカレーライス一杯分で夢のクルージングとフルコースが楽しめる低カロリーフルコース「元気宣言700」は、ランチタイムクルーズ(六五〇〇円)で六五三キロカロリー、ディナータイムクルーズ(一万円)で七〇〇キロカロリー。老若男女が集うパーティー、ヘルシー志向のカップルにと、人気はますます高まっている。
◆レストランシップ「ヴァンテアン」(東京都港区海岸一‐一二‐二、03・3436・2121)営業時間=午前10時10分~午後7時10分