料理人の教育法(10)桃花・麦澤元総料理長
「和の心を持ってほしい」と語るのは、中国料理店「桃花」の麥総料理長。スタッフ間の不仲は味に影響が出るもの。心が通い合っていない厨房の料理は、いくら見た目を整えても、キレイなだけでおいしくないという。
「ホールスタッフの存在も重要。心を込めて作った料理でも、お客様へ提供する時に、乱暴だったり、愛想が悪かったりすると、台無しです。厨房の中だけじゃなく、店全体のチームワークが大切。職場ではどんなに気の合わない人がいても、お互いに協力し合う気持ちを忘れてはいけないと教えています」
和のある職場には、のびのびとした雰囲気が漂う。若手は気兼ねなく質問や不安を口に出せ、だれかが困っていたり大変だったりすると、周りは自然に手を貸すようになる。
「そういう雰囲気を作るためにも、気持ちよく働かせてあげたいと思います。ぼくが修業したころと違い、今はキツイだけの教育に若い人がついてこない時代。怒られてがんばる子、褒められるとやる気の出る子、それぞれの性格に合った教え方を心掛けています」
そして、「事故は無理をした時におこるもの」と麥総料理長は話す。それを防ぐのがコミュニケーションのよさ。和の心を持って、お互いに無理をしない、させないことが大切だという。
◆「桃花」=札幌市中央区北四条西四丁目、札幌東急ホテル一階、011・210・4477