ラーメンスタジアム企画・設計の狙い エフ・ジェイ都市開発・高城亮一さんに聞く
ラーメンスタジアムは、キャナルシティ博多を運営するエフ・ジェイ都市開発(株)が同施設のリニューアルに際しプロデュース、オープンさせた施設。この企画に発案から携わった同社の企画開発課長・高城亮一さんに、ラーメンスタジアムオープンに至るまでと福岡のラーメン文化について聞いた。
ラーメンスタジアムを企画したきっかけですが、もともとラーメンが好きだったこともあって、三年ぐらい前に一年ほど仕事で東京にいたとき、ラーメン愛好会に入っていろんな種類のラーメンを食べたんです。醤油ラーメンはもとより、同じ豚骨ラーメンでも醤油豚骨があったりといろんな味があり、そのバラエティーの多さにすごい感動と衝撃を受けました。
ラーメンスタジアムにも全国各地のラーメンを紹介した全国ラーメンマップを展示しているんですが、本当にいろんなラーメンがありますよね。博多のラーメンも好きなんですけど、豚骨ラーメンばかりで、バリエーションがないのをとても不思議に思ったものです。
博多でも、私が受けた感動が味わえるような、いろんなバラエティー豊かなラーメンが味わえるところがあればいいなというのが企画の原点。六年前のキャナルシティ博多の立ち上げの時から、安くて気軽にB級グルメが楽しめる路地裏的な感じのものをプロデュースできたらいいなという思いが伏線にあって、いつか全国のおいしいラーメンを紹介できればと思っていました。
昨年オープン五周年を迎えたキャナルシティ博多の大リニューアルが行われたのですが、そのリニューアルに際して社内で企画を考えることになって、これはやっぱり「ラーメンだ」と。ほかの大きなリニューアルから着手したあと、やっと昨年6月ごろからラーメンスタジアムの企画が動きはじめました。
私はラーメン業界に詳しいわけでもないし、コネクションもなかったしで、情報収集やネットワークづくりなど調査をいちからはじめました。そのなかで、地元福岡のラーメン店の方とも話してみると、同じ九州でも久留米ラーメンもあれば熊本ラーメンもあるのに、なぜ福岡にはよその地域のラーメンがないのかという疑問は、みなさん持っていたようですね。熊本ラーメンが好きな人は高速飛ばしてわざわざ熊本へ食べに行くというようなこともよく聞きました。
福岡では「ラーメンは豚骨」と思っている人が多いけれど、それは福岡ではお店が豚骨ラーメンしか提供していないからという思いも強く感じました。ラーメンを嫌いな人はあまりいないくらい、年齢性別を問わず幅広く人気があり、庶民的ながらとても奥が深い食べ物ということも改めて再認識され、やはりこの企画はいけると手ごたえも感じました。
それからは、実際に契約店鋪との交渉など、12月15日のオープンまで限られた時間での勝負でした。出店に際して半年の期間限定の店鋪もつくるなど、店鋪を入れ替えることでリピーターの方にも喜んでもらえるような施設にしようというねらいもありました。今も次に出店してもらう店鋪の交渉に向け動いているところです。
博多のラーメンといえば「豚骨」という博多のラーメンシーンが長いこと定着していますが、いろんなラーメンを提供することで博多に新しいラーメン文化が根付くのではと期待しています。
◆エフ・ジェイ都市開発(株)(福岡市博多区住吉一‐二‐二五、広報電話092・282・6380)