地域繁盛店(仙台)ヘルシーメニュー編:廚

2002.03.04 247号 4面

最近、ブランドのアンテンナショップや、おしゃれな路面店の出店が目立つ仙台市一番町。その中心に位置する廚のランチは、素材本来の持つ魅力、味、香り、食感がしっかり楽しめると評判だ。野菜や魚を多用した料理が多く、和食に欠かせない食材である味噌、醤油、豆腐などは宮城県産を使用。

飽食の時代と言われながら、何かと「食」に敏感にならざるを得ない今の時代、ヘルシーであり栄養のバランスがよいことは、人気を呼ぶ大きな秘けつであろう。

東京・浅草の和食店勤務を経て一九九八年、独立開業という形で店をオープン。女性をターゲットに和食の堅いイメージを打破しようと、気楽で日常的な和のメニューを考案。木をふんだんに使った店内には自然光が差し込み、ジャズやクラシックのBGMが流れる。

全四三席のこじんまりとした箱の大きさも心地よく、OLや主婦の一人ランチにも気負いなく利用できるのが魅力だ。

また、夜はダウンライト気味にシックな雰囲気の中、ビールやカクテル、日本酒もいただける。白焼きや利久焼きなど穴子料理も豊富。小グループでの飲み会のほか、「ちょっと食事」に来る男性客も多い。

◆味噌蒸しぱん昼食(750円)

仙台味噌と青ジソを練り込み焼いた、甘さ控えめ「味噌蒸しぱん昼飯」は、若鶏の唐揚げに厚焼き卵、和風だしのあっさりスープとヘルシーな味覚が女性に人気。中でも大福豆、大豆、インゲンの三種の豆を使った「豆サラダ」は、単品でも評判の一品だ。マスタードやワインをブレンドしたドレッシングは、豆=甘い物という固定観念を破り、パンにベストマッチする味わい。デザートにヨーグルト、オレンジジュースかコーヒーが付く。

◆ゆず味噌おにぎり昼食(850円)

看板メニューといえる特製「ゆず味噌おにぎり」は、麹味噌と赤味噌のブレンドに、ユズの皮や卵などが入った風味豊かな味と香り。地元の老舗豆腐店から仕入れる冷奴は黒ごま、シソ、ユズ、クルミ、ずんだと、時々で違った味覚が楽しめる。旬の素材を使った煮物や真蕘の湯葉揚げも、季節や月ごとに少しずつ内容が変わり、楽しみをまた一つ増やしてくれる。ほっとさせてくれる素朴な味わいが、ギュッと詰まった定食だ。

◆ひと言 真木貴史オーナー

気取らず構えず値段も高からず、けれど居酒屋のように雑多な雰囲気ではない。芋の煮ころがしや田楽、まぜご飯など、素朴なメニューがそろえど、家庭とはひと味違った料理が味わえる、それがここ廚。「食材もメニューもきっちり『ヘルシー』にこだわってきたことが、特に女性に受けている理由だと思います。特にランチタイムのお客様は、八割がたが女性で、よく一人でも入りやすい雰囲気と言われますね」

●愛用食材 赤味噌と米麹味噌

オーナーの真木さんが、方々探し回ってみつけた逸品味噌。それが宮城県小牛田町産の赤味噌と米麹味噌だ。良質の大豆と宮城県産米が原料のつややかな赤味噌は、味噌パンに。ゆず味噌おにぎりや味噌汁には、甘口の米麹味噌とブレンドして使っている。

「老舗の味噌醤油店によって丁寧に作られた味は、豊かな風味とコクが特徴。香りもよく、プロならずともうまさの違いはハッキリとわかるはず。ここの醤油もおいしくて、愛用しています」

◆鎌田醤油(株)/宮城県遠田郡小牛田町北浦字起谷三、電話0120・20・

2163

◆廚(宮城県仙台市一番町三‐四‐二三、電話022・215・9155)

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